風の音楽メモ 2004

  

尾崎豊トリビュートアルバム 


2004.3.28

■“BLUE”A TRIBUTE TO YOU YUTAKA OZAKI
 尾崎豊トリビュートアルバム
 SECL67  04.03.24
 
尾崎豊の音楽に関心をもったことはあまりなかったが、
音楽プロデューサーの須藤晃がFMの番組で
この尾崎豊トリビュートアルバムの話をしているのをきき
その尾崎豊というよりも須藤晃の熱のほうに感じるものがあった。
 
そういえば尾崎豊の死んだ頃に
ぼくはこの「神秘学遊戯団」をはじめていて、
その参加者のなかに尾崎豊ファンがいたのを思い出した。
ファンというよりも尾崎豊で生きているという感じ。
その感じはぼくにはよくわからないものだったが、
そういう人が思いのほか多かったことだけは憶えている。
 
このトリビュートアルバムに須藤晃はかなりの思い入れがあるようで
たとえば、このなかに収められている宇多田ヒカルに
参加交渉をしてOKがもらえたときに
思わず蹴りをいれたくなるほどうれしかったと
FMの番組で語っていたのがとても印象に残っている。
その蹴りをいれたくなるほどの熱をぼくもほしいと思った。
 
相変わらず尾崎豊そのものにそんなに関心をもったとはいえないけれど、
その熱を受け取ってみようと思いアルバムを聴いてみることにした。
ぼくがふだんあまりきかないミュージシャンたちばかりの名前が並んでいる。
むしろぼくにとってききなれない声たちから伝わってくる熱に
ひょっとしたらなにかの可能性の種があるのかもしれない。
そう思いながら、一曲一曲に寄せられた須藤晃の言葉を読みながら
参加ミュージシャンの声をききはじめる。
 
「この歌を繋いでいきたいなと思った。
それは歌を解放させることだと思ってきた。
・・・歌を自由にしたいのだと思う。」
そう須藤晃の言っているように
こうして歌われている尾崎豊の曲はとても新鮮に響く。
 
ぼくはいわゆる「大人」になっていない人だし
たぶんずっと「いわゆる大人」にはなれない人で、
だから大人になって少年の心を失ってしまい、
そのことを歌にするようなタイプでもないのだけれど、
人が訳知り顔をしてその実ただスポイルされてしまっているような
そんな人たちを目の当たりにするときには
こういう歌の熱の意味が少しだけわかった気になったりもする。
そしてその熱に共振してみたいとも思う。
ぼくの柄ではないが、
ときにそんな時間を持つのもいいものだ。
 
 
 


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