note28:
・エーテル空間においては、中心点(宇宙点)へと向かう規則正しい成長を
・物質的に見れば、宇宙点に向かって密集していくように見える。
・物質的表象としては、∞,1,1/2,1/3,1/4,1/5,・・・
(エーテル的感情としては、
 無限に続く規則正しいリズム:0,1,2,3,4,5,・・)
・物質的な成長像は、“相反半径による変換”を用いることで
 エーテル的な成長像へと変換することができる。

<ジョージ・アダムス 『エーテル空間』からの引用>

エーテル的なものにとっての宇宙点は無限そのものです。したがって内へと向かう規則
正しい成長は、物質的な視線にとっては宇宙点へ向かって次第に密集していくように映
るでしょう。これは透視図法に見られる、“消失点”へ向かう密集と同じ種類のものです。
(…)私たちが見るのは球面が密集度を増しながら内部へ成長していくプロセスですが、
エーテル的感情はそのプロセスを密集としてではなく、果てしなく続く規則正しさとし
て体験します。
(P.54-55)
 正確な尺度の比率は次のようなものになります。まず中心から物質的に拡大していく
球面を思い浮かべ、そのプロセスに規則的に歩を進める何らかのリズムを与えましょう。
半径は、最初の一歩で1の長さに、次の一歩で2の長さに、…となるとします。さらに
これを繰り返していけば、半径方向の距離が一様に増していく数列が得られます。
   0,1,2,3,4,5,・・・
 この場合の0(ゼロ)は中心点に結びついています。
(P.54-55)
さて今度はこれに対して、内へと成長するエーテル球面を思い浮かべ、このプロセスに
もエーテル的に規則正しいリズムを与えましょう。そして、この球面がそのリズムの最
初の一歩を内側へと踏み出したときの、その物質的な見かけ上の半径を1としましょう。
つまり中心点からの半径を1とするのですが、これはエーテル的理念に応じたものでは
なく、物質的表象に応じた半径です。すると“内への成長”の次の一歩で、見かけ上の半
径は1/2、次の一歩で1/3、…、となります。さて、このプロセスのエーテル的な源、つ
まり“無限球面”としての無限遠点の出発点では物質的な見かけ上の半径は無限であるこ
とを思い起こせば、ここには次のような数列が得られます。
   ∞,1,1/2,1/3,1/4,1/5,・・・
もちろん、見かけ上の密集度はこれよりずっと大きくなります。
(P.55)
エーテル的理念に対する規則正しい歩幅、1,1,1,…、は、物質的な見かけ上では
次のような密集度になっていきます。
   ∞,1,1/2,1/6,1/12,1/20,・・・
(P.55)
 ちなみに、このもっとも単純な場合においては、物質的な成長像はよく知られている
“相反半径による変換”を用いることによって、エーテル的な成長像へと変換し得ること
を挙げておきましょう。この変換においては、各々の点は、与えられた球(すなわち半
径1の単位球面)に関して対応する平面に変換されます。またこの逆も成立します。こ
うして2に対しては1/2、3に対しては1/3、等々が得られます。数のこのような変換は
各々の数において生じる鏡像であり、本質的には、0(ゼロ)は無限のなかに、無限は
0のなかに映し出される、ということを前提にしています。この0と無限との相関的な
変換は、霊的には、神的宇宙像を有する無限の天球から宇宙の種子としての地球点への
移行に関する理念でもあります。この、宇宙の種子としての地球点は、最初は無である
存在です。しかしそれは、天球の内で死にゆくものを新たな生命の内へと受け取ること
になるのです。“汝の無の内にすべてを見出し得ることを私は望む”(ゲーテ“ファウスト”)
(P.56)
*上記“相反半径による変換”についての原注から
円あるいは球に関する相反的変換は、エーテル幾何学にとっては物質的幾何学の場合よ
りも重要である。
点から平面へあるいは平面から点への質的な極ー相反的変換は、内部の点を再び外部の
点へと転換するだけのいわゆる反転と同一視されてはならない。
(P.67)

<note28>
◎エーテル空間においては、中心点(宇宙点)へと向かっていく規則正しい成長を
物質的に見れば、宇宙点に向かって密集していくように見える。
エーテル空間においては規則正しい成長が、
物質的に見た見かけ上の成長は中心点(0ゼロ)に向かっていくことになるということである。
◎それは球面が密集度を増しながら中心点へ向かって成長していく、
つまり点へと凝縮していくプロセスではあるけれど、
それをエーテル的感情でとらえると、「密集」ではなく、
「果てしなく続く規則正しさ」であって、
その「規則正しさ」は次のようにイメージすることができる。
◎球の中心から物質的に拡大していく球面で、
中心から外に向かって延びる半径方向の距離が規則正しく、1ずつ増えていく数列のイメージ。
最初は1の長さ、次に2の長さ、次に3の長さ・・・というように、
「0,1,2,3,4,5,・・・」と1ずつ増えていく数列。
この場合の「0(ゼロ)」は中心点。
◎しかし、エーテル球面が内へと成長するリズムの最初の一歩である
物質的な表象での見かけ上の半径を1とすると、
次の見かけ上の半径は1/2、さらに次の一歩の見かけ上の半径は1/3・・・となり、
「∞,1,1/2,1/3,1/4,1/5,・・・」という数列となる。
(この見かけ上の密集度は、実際にはもっと高くなり、「∞,1,1/2,1/6,1/12,1/20,・・・」という数列)
◎こうした物質的な成長像は、“相反半径による変換”を用いることでエーテル的な成長像へと変換し得ると説明されている。
◎調べてみると、「相反」というのは、平面上の射影変換で、
点を直線に、直線を点に移す変換のことを意味している。
つまり、各々の点は、「与えられた球(すなわち半径1の単位球面)に関して対応する平面に変換され」、
またその逆も成立するということになる。(2に対しては1/2、3に対しては1/3、等々)
◎「0,1,2,3,4,5,・・・」と「∞,1,1/2,1/3,1/4,1/5,・・・」の相反から、
0(ゼロ)は無限のなかに、無限は0のなかに映し出される(0と無限との相関的な変換)ということがいえる。
◎この0と無限との相関的な変換を霊的にみれば、
「神的宇宙像を有する無限の天球から宇宙の種子としての地球点への移行に関する理念」でもある。
これは数量的な変換としてイメージすることは困難であり、質的な変換として理解する必要がある。
◎ちなみに、「相反半径による変換」について、原注に次のような記載があり、
物質的な変換ではなく、質的な変換であることに注意が促されている。
「円あるいは球に関する相反的変換は、エーテル幾何学にとっては物質的幾何学の場合よりも重要である。
点から平面へあるいは平面から点への質的な極ー相反的変換は、
内部の点を再び外部の点へと転換するだけのいわゆる反転と同一視されてはならない。」
◎note27で、宇宙点は、「内へ向かう、果てしなく拡がる球面面積を持つ点」であり、
ゼロではなく、無限に巨大なものとしてとらえる必要があると示唆したことが、上記のことからも理解される。