■GA122 創世記の秘密〜モーゼ第一書における天地創造の6日間 |
■GA123 マタイ福音書 |
■GA124 マルコ福音書補遺 |
■GA125 霊的人間の道と目標〜霊学の光に垂らされた人生の問題 |
■GA126 世界史の秘密〜歴史的人物と事件のカルマ的連関の秘教的考察 |
■GA127 新しい霊的啓示の使命〜地球進化の中心としてのキリスト事件 |
■GA128 オカルト生理学 |
■GA129 宇宙の奇跡、魂の試練、霊の啓示 |
■GA130 秘教的キリスト教と人類の霊的指導 |
■GA131 イエスからキリストへ |
■GA132 真相から見た宇宙の進化 |
■GA133 地上的人間と宇宙的人間 |
■GA134 感覚界と霊界 |
■GA135 再受肉とカルマ、そして現代の文化に関するその意味 |
■GA136 天体と自然の中の霊的諸存在 |
■GA137 オカルティズム、神智学、哲学の光の中の人間 |
■GA138 秘儀参入について/永遠と瞬間について/霊の光と生の闇について |
■GA139 マルコ福音書 |
■GA140 死と再受肉との間の生についての神秘学的探究/生者と死者との間の生きた相互作用 |
■GA141 宇宙的諸事象との関係における/死と再受肉との間の生 |
■GA142 バガヴァッド・ギータとパウロ書簡 |
■GA143 超感覚的なものの体験/魂のキリストへの旅 |
■GA144 東方の秘儀とキリスト教の秘儀 |
■GA145 人間の神秘学的な発展は、その覆い−肉体、エーテル体、アストラル体−そして自己にとっていかなる意味を持っているか? |
■GA146 バガヴァッド・ギータのオカルト的基盤 |
■GA147 境域の秘密 |
■GA148 第五福音書〜アカシャ年代記の探究より |
■GA149 キリストと霊界〜聖杯の探究 |
■GA150 霊界とその物質存在の中への突出/生者の世界への死者たちの働きかけ |
■GA151 人間の思考と宇宙の思考 |
■GA152 ゴルゴタの秘蹟の前段階 |
■GA153 人間の内的本質と死と再受肉との間の生 |
■GA154 いかにして霊界を理解するか?/死者たちの世界からの霊的衝動の流入 |
■GA155 キリストと人間の魂〜生の意味について/神智学的道徳/人智学とキリスト教 |
■GA156 霊視と霊聴 |
■GA157 人間の運命と民族の運命 |
1910年8月16日-8月26日、ミュンヘン、11回の講義(連続講義14)
Die Geheimnisse der biblischen Schoepfungsgeschichite
Das Sechstagewerk im 1.Buch Moses
これは、聖書の創世記について、シュタイナーがその真の意味を解き明かした注目すべき講義だといえます。シュタイナーの宇宙進化論の内容が、創世記において、いかに記述されているかを理解するためにも、必読書だといえます。幸いなことに適切な訳書もありますが、これを読まれる前に、シュタイナーの宇宙進化論についてある程度理解しておく必要があります。
*邦訳
「創世記の秘密」(水声社)
●主な内容
・原言語の秘密
・ハアレツとハシャマイム
・創造の7日間
・エロヒムの形態と創造行為
・時の霊エオーネン
・光と闇
・ヨムとライラ
・元素存在の背後に活動する霊的存在たち
・ヤハウェ・エロヒム
・創造の第6日までの人間の進化
・人間のなかの月的なもの
・聖書と霊視的探究
1910年9月1日-9月12日、ベルン、12回の講義(連続講義15)
Das Mattaeus-Evangelium
●主な内容
・アトランティス後の民族の流れ。イラン民族とツラン民族。
・空間と時間の秘密。ヘルメスの叡智とモーゼの叡智。
・古ヘブライの神認識。アブラハムとメルキゼデク。
・イェシュ・ベン・パンディラとエッセネ派の秘儀参入。
・7という数と12という数。人間進化における宇宙的諸関係の鏡。
・ルカ福音書におけるイエス及びマタイ福音書におけるイエスの系図
・八正道。キリスト以前の秘儀における秘儀参入の本質。
新たなイニシエーションの雛形、キリスト。
・歴史的事実としてのキリスト事件。自我の秘儀。
・肉体におけるキリストの一回性の事件。
エーテル界におけるキリストの出現。
・ペトロの告白。人間の息子と生きた神の息子。
キリストを通じて弟子をマクロコスモスに連れ出すこと。
・キリストの本質と二人の幼子イエス。
福音書家の4つの視点。
マタイ福音書における人間的なもの。
1910年10月17日〜1911年6月10日、ベルリン、13回の講義と質疑応答(連続講義30)
1910年12月12日、ミュンヘン、1910年12月18日、ハノーヴァ、
1911年2月2日、コブレンツ
Exkurse in das Gebiet des Markus-Evangeliums
●主な内容
・霊的真実を探求し知らせることについて
・人間の魂生活と高次の認識
・第五文化期の課題について
・マルコ福音書におけるマクロコスモスの記号言語
・後アトランティス時代の二つの大きな文化の流れ
・神の子と人の子。オルフェウスの犠牲。
・高次の本質の要素の、肉体及び外界への関係
・魂的霊的領域における律動的法則。意識魂の福音書。
・ヤハウェの月の宗教とそのアラビアにおけるその反映。
仏陀−水星の流れの薔薇十字への流入。
・メルヒェンにおける薔薇十字の叡智
・キュリオテテス−−魂の主
・マルコ福音書の秘密
・アンゲロイの声とエクスシアイの言語
1910年1月23日〜12月27日、諸都市、14回の講義
Wege und Ziele des geistigen Menschen
Lebensfragen im Lichte der Geisteswissenschaft
●主な内容
・ノヴァーリスと霊学
・ヘーゲルの哲学と現代との関係
・霊的人間の道と目標
・哲学と科学の今日の立場
・薔薇十字の秘儀「秘儀参入の門」と関連した自己認識について
・薔薇十字の秘儀「秘儀参入の門」に関するいくつかのこと
・古文書と福音書の叡智。キリスト事件。
・高次の魂の諸力の前段階としてのファンタジー
・輪廻転生とカルマの光に照らされた人生の問題
・カルマの働き。人生の実践としての人智学。
・時代の変遷のなかのクリスマスの祝い
・冬至の祭り、
キリスト祭のシンボルと人智学的に表象された世界史的気分
1910年12月27日〜12月31日、1911年1月1日、
シュットゥガルト、6回の講義(連続講義16)
Okkulte Geschichte
Esoterische Betrachtungen karmischer Zusammenhaengen von
Persoenlichkeiten und Ereignissen der Weltgeschichte
*邦訳
「世界史の秘密」(西川隆範訳/水声社)
●主な内容
・人間進化を前進させる流れの道具としての個性。
アレクサンドリアとヒュパティア。
・オルレアンの処女の行為。
スコトゥス・エリウゲナ。ギルガメッシュとエンキドゥ。
・霊的諸力に介入することを通した受肉の経過の変更。
アリストテレス。恐れと同情によるカタルシス。
・原言語。天の尺度と人間の尺度に基づいた礼拝建築。
バビロンの地上使命。カルデアの秘儀文化。背教者ユリアヌス。
・アトランティスの破局と1250年の衝動。
人類の歴史における上昇するサイクルと下降するサイクル。
コペルニクス。オーバーリン。
・バビロンの文化。ギリシアの哲学と民族の特徴。ノヴァーリスの個性。
1911年1月5日〜12月26日、諸都市、16回の講義
Die Mission der neuen Geistesoffenbarung
Das Christus-Ereignis als Mittelpunktgeschehen der Erdenevolution
●主な内容
・人類進化の様々な時代
・倫理性のカルマへの影響
・人間の魂の内なるものとその世界への関係に関するいくつかのこと
・人間存在の構成要素の、人類進化及び経過への関係。
神の子と人の子。
・知恵、敬虔、生への信頼
・子供のときの自我の働き
・霊的認識の生への流入について
・オシアンと(3世紀頃のケルトの伝説的詩人)と
フィンガル(アイルランドの伝説上の英雄)の洞窟
・原罪と恩寵
・新しい霊的啓示の使命
・信仰、愛、希望
・「魂の試練」の密儀に関連した象徴性とファンタジー
・クリスマス−−インスピレーションの祭
・地球霊としての太陽霊の生誕
・霊界からの三重の呼び声
1911年3月20日〜3月28日、プラハ、9回の講義
付、1911年3月28日特別講義
Eine okkulte Physiologie
この講義は、現在この会議室で行っている「精神科学と医学」の翻訳紹介 密接に関係した内容になっていて、人間の生命の本質に関する問題が扱われています。
この講義は、生理学を扱ったものですが、「汝自身を知れ」という自己認識に関わるものであるともいえます。通常は、人体の生理学を自己認識であるとはとらえないでしょうが、みずからの身体を真に認識することも、自己認識のためには必要であることがこの講義を通じて理解することができます。
「人間の進化の全体は、人間自身のために意味があるのではない。人間は宇宙の神霊の働きを開示するために存在している。人間は宇宙の神性のひとつの現れなのだ」。このように考えることが大切なのです。私たちが自己認識を通してますます完全な存在になろうと努力するとき、人間とは何かを単なる好奇心や知識欲から知ろうとするのであってはなりません。人間が宇宙の霊の存在をますます完全に開示していけるようにすることを義務と感じなければならないのです。ですから「無知のままでいるのは人間の崇高な使命に対する冒涜である」という言葉を、このことと結びつけて考える必要があるのです。(中略)私たちが宇宙の霊を表すことに意味を考える必要があるのです。(中略)私たちが宇宙の霊を表すことに意味を見出し、「認識しなければならない、認識することは義務なのだ」という言葉が納得できるようになったとき、そのときはじめて私たちは、人間本性に対する畏敬の念を感じとるようになるのです。(P10-11/邦訳)
*邦訳
「オカルト生理学」(高橋巌訳/イザラ書房)
●主な内容
・人間認識に不可欠な人間への畏敬。なぜ霊学から生理学を研究するのか。
人間存在の二重性。骨の内側と外側。脳と脊髄。オーケンとゲーテによ
る頭骨理論。脳は変化した脊髄である。脳−目覚めた思考。脊髄−夢み
る思考。骨と脊髄のオーラ。
・もうひとつの二重性。栄養過程−消化器系と血液系。血液の大循環と小
循環。感覚印象による血液の変化と脾臓、肝臓、胆汁による血液の変化。
内宇宙としての脾臓=土星、肝臓=木星、胆汁=火星。神経はアストラ
ル体の道具であり、血液は自我の道具である。神経は分化し、血液は統
合する。神経と自我。内的集中の行による神経と血液の分離。
・内的集中の行の成果。血液に作用する内部器官系と感覚印象。内界を仲
介する脳=脊髄神経系。内部への神秘的沈潜は血液と交感神経系との結
びつきを強める。脾臓は体内に固有のリズムをつくる。土星作用。体内
リズムと宇宙リズムの一致。クロノス神話。神話像の生理的意味。
・手術の意味。身体器官の霊的作用。脾臓、胆汁による栄養リズムの変化。
呼吸と血液による外界との関係。心臓における二つの活力組織の出会い。
腎臓による生体の調和化。生体の中心に位置する心臓=血液系。内宇宙
系。自我の道具としての血液。自我と呼吸との関係。心と物質との相互
関係。魂をエーテル体に作用させる。記憶の過程。松果腺と脳下垂体。
・生体の本質と概念。人間有機体におけるエーテル体、アストラル体、自
我の働き。活力組織と人体形式。自己知覚の誘因としての抵抗。排泄の
意味。皮膚。内から外への形成力。エーテル体の外的生活と内的生活。
・皮膚は自我を表現している。血液は自我を生体組織へ導く。生命過程と
代謝過程。成分を体内に排出することによる自己知覚。血液循環と活力
組織。自我体験の影響をもっともうけやすい血液ともっとも受けにくい
骨格。最古の栄養過程から生じた骨格。骨相学と輪廻転生。
・自我の道具としての血液。脳=脊髄神経系は意識を生じ、交感神経系は
内宇宙から意識を遮断する。骨格は自我生活を支える人体形式。外界か
ら生体を独立させる血温。思考、感情、意志から生じる物質過程。骨格
と自我。内宇宙系とアストラル体。思考と塩分沈殿。感情と膨化過程。
意志と熱過程。もっとも独立した器官である血液。
・超感覚的な活力組織である人体形式。内宇宙系による栄養素の変化。器
官形成の根底にある植物過程。リンパ系への排出が暗い意識を生む。外
へ開かれた自我意識。胆汁形成の意味。太陽系と内宇宙系。金属と器官
との対応。塩分の影響。植物性と動物性の食物の影響。生体の上昇過程
と下降過程。男性と女性配偶子。生理学と地上における人間の宇宙的使
命。
1911年8月18日〜8月28日、ミュンヘン、11回の講義(連続講義18)
第二の神秘劇「魂の試練」の初演に関連したものを含んでいます。
Weltenwunder,Seelenpruefungen und Geistesoffenbarungen
●主な内容
・ヨーロッパの文化生活における劇文化の発端。エレウシスの秘儀。
・ギリシア神話における霊的世界の生きた本質。
三重のヘカテ(夜・冥界・魔法の女神)。
・自然と精神。
人間の隠された本性のマクロコスモス的な対応物としての
ゼウス、ポセイドン、プルートー。
オカルト文書の記号。
・自我の諸力の代表としてのディオニュソス。
人類進化におけるキリスト衝動の介入と惑星霊の働き。
・キリスト潮流における古ヘブライの潮流とギリシアの潮流の合流。
ディオニュソス・ザグレウスと若きデュオニュソス。
・ディオニュソスの秘儀
・魂の試練の真の意味。進歩する神々の世代と退歩する諸存在。
ゴルゴタの秘蹟。
・鷲、雄牛、獅子の流れ。スフィンクスと聾者。
自我意識の成立。
・あらゆる魂の試練の二つの極。
パウロ主義的な意味におけるマクロコスモスのキリスト衝動。
・我々の時代とゲーテ。
1911年〜1912年にさまざまな都市で行われた23回の講義
Das esoterische Christentum
und die geistige Fuehrung der Menschheit
●主な内容
・歴史過程におけるキリスト衝動
・仏陀とキリスト。菩薩の領域。
・薔薇十字的キリスト教
・血のエーテル化。エーテル的なキリストの地球進化への介入。
・イェシュ・ベン・パンディラ
−−キリスト衝動理解の準備をした人。生の内容としてのカルマ。
・現実生活としてのキリスト衝動。
・信仰、愛、希望−−人生の三つの階梯。
・宇宙−自我と人間−自我
・人間のカルマに対する基本感情
・死を通した神的衝動の事実。
アナスタージウス・グリューンの「5つの復活祭」
・キリストの薔薇十字の使命。火星でのゴータマ・ブッダの使命
□付録(講義ノート)
・1250年の意味
・マクロコスモスの7つの原理とその人間との関係
・私の頭上にきらめく星空−−私の内なる道徳法則(カント)
1911年10月4日〜10月14日、カールスルーエ、
11回の講義(導入として公開講義が行われた)
Von Jesus zu Christus
☆公開講演/1911年10月4日
19世紀の歴史的なイエス研究。アルテュール・ドリューズ。福音書は歴史文献か?神秘的事実としてのキリスト教。古代の秘儀。秘儀の徒としてのアリスティード。二つの全く異なる種類の秘儀:エジプトの秘儀とギリシアの秘儀、ペルシアの秘儀とミトラの秘儀。原人アダムと原罪。パウロ的キリスト教。福音書は伝記ではなく、秘儀参入の叙述である。
●第一講/1911年10月5日
ヨーロッパの霊的進化の二つの流れ:ジェズイットのイエス原理と薔薇十字派のキリスト原理。三重性:意識的な霊的生、下意識的な魂的生、認識しない自然的生。霊−子(ロゴス)−父。表象−意志−感情。薔薇十字の霊のイニシエーションとジェズイットの意志のイニシエーション。
●第二講/1911年10月6日
キリスト教的−薔薇十字的秘儀参入。薔薇十字と精神科学。薔薇十字のイニシエーションにおける輪廻転生とカルマの教え。一方ではドロースババ、ヴィンデンマンとレッシングの場合、他方では仏教におけるそれ。薔薇十字的認識の道によるエーテル体の弛緩。持続する啓示によるキリスト事件体験への道。薔薇十字的イニシエーションにおける福音書のイメージの独自な体験。境域の守護霊との出会いとイエスの誘惑の歴史。不安とオリーブ山での場面。ジェズイット的な道との相違。
●第三講/1911年10月7日
キリスト教の秘密のための三つの認識の源泉:福音書、見者の研究、自己認識とキリストの道としての信仰。カルマ的な裁判官の役がキリストに委託されること。ナザレのイエスはひとりの真の人間であって、ティアナのアポロニウスのようなアデプトではなかった。キリスト−個性Individualitaet のナザレのイエスの肉体への関係、これと対照的なアポロニウスの個性のその肉体への関係。人間の堕落とキリストによる調停。二つの信仰証言:パスカルとソロヴィヨフ。
●第四講/1911年10月8日
キリストを見ることによる信仰の交代。キリスト以前とキリスト以後の時代のロゴス体験。ゴルゴタの秘蹟へのリヒャルト・ヴァーグナーの予感、霊的世界の真実にとって不可欠な帰依に満ちた気分の例としての。受け継がれた福音書とアーカーシャ年代記。ヒエロニムスとマタイ福音書。内的なキリストの心情体験からキリスト教的秘儀参入への道。
●第五講/1911年10月9日
パウロ書簡。死に際しての物質体の崩壊に関する問い。物質的身体の形態Formと自我意識との関係。グリーヒェントゥム(ギリシア精神):物質的身体に対する最高の愛。ブッダ意識:物質的身体の軽視。古代ヘブライ:種族を通じての物質的身体形態の遺伝的継承。ヨブ記。
●第六講/1911年10月10日
キリスト教の核心問題:復活。秘蹟と福音書における秘儀参入。ダマスクス体験後のパウロの歴史像。第二のアダムキリスト。アダムの死すべき肉体と第二のアダムの不朽の肉体。物質的身体と人間の形姿、ファントム。物質的身体の可視性とルシファー的影響の関連。
●第七講/1911年10月11日
キリストの物質的身体へのただ一度だけの受肉。人間の自我Ich本性。復活を理解することの困難さ。魂的体験の鏡としての物質的身体。物質的身体のファントムの破壊:堕落。復活したキリストの肉体は物質的身体の純粋なファントム。人間の失われた原理の再興。救済された人間のファントム。
●第八講/1911年10月12日
二人の少年イエス。ザラトゥストラの個性。ブッダの力の影響。ナータン系のイエスの自我。神殿での12歳のイエス。ヨルダン川の洗礼における30歳のイエス。灰と塩。キリストの霊体Geistleib:復活したファントム。ダマスクスにおけるパウロのための書が成就する。
●第九講/1911年10月13日
個々の人間とキリスト衝動との関係。ベンゲル、エティンガー、フェルカーにおける以前の神智学。ルシファーの影響(罪、嘘、錯誤)の客観性とキリストの救済行為の客観性。晩餐と福音書による顕教的なキリストへの道。瞑想と集中の力による秘教的な道としての霊における聖体拝領Kommunion 。
●第十講/1911年10月14日
キリスト衝動と個々の人間の魂との関係。イニシエーションによる秘教的なキリストへの道。キリスト教的秘儀参入の七つの段階とその目標。復活した人のファントムを受けること。キリストのカルマ的な裁判官の役目。再受肉の教え。第二のキリスト事件による、後方への眼差しの明澄化。イェシュ・ベン・パンディラと菩薩。言葉により善をもたらす者。キリストの救済行為の自由意志による供儀。
1911年10月31日〜12月5日、ベルリン、5回の講義(連続講義35)
Die Evolution vom Gesichtspunkte des Wahrhaftigen
●主な内容
・地球の土星受肉の内的な観点
・地球の太陽受肉の内的な観点
・地球の月受肉の内的な観点(2つの講義)
・地球惑星の地球受肉の内的な観点
1912年10月31日〜12月5日、ベルリン、9回の講義(連続講義36)
付、1911年3月28日特別講義
Der irdische und der kosmische Mensch
●主な内容
・現代の人間の文化における過去の時代の証人
・偶然と現代の人間の意識。復活祭の瞑想。
・人間の魂の諸力とそれに霊感を与えるもの。
カレワラ−−フィンランドの叙事詩。
・西洋文化における輪廻転生の理念のはじまり。
・地球の使命。驚き、同情、良心。キリスト衝動の永続。
・人類進化の指標。連続する自我。人間における霊的自己の浮上。
・意識、記憶、カルマ。思考形式。
・内的なものの形成力。進化における進歩の原理。
1911年12月27日〜1912年1月1日、ハノーバー、6回の講義(連続講義20)
Die Welt de Sinne und die Welt des Geistes
●主な内容
・唯物論的な思考及び感覚の方向性の霊的な方向性との戦い。思考の教育。
・感覚界に支配的な意志。生成し過ぎ去るものの世界に支配的な知恵。
・生の秘密。ルシファー的傾向を通した均衡の流れ。
・空間における物質経験と時間における魂体験。
・二重存在である人間。カルマの技法。
・生成し消え去るもの。7つの植物領域。霊的な呼吸プロセス。
1912年1月23日〜1912年5月5日、ベルリンとシュトゥッツガルト、5回の講義
Wiederverkoerperung und Karma
und ihre Bedeutung fuer die Kultur der Gegenwart
地球での人生及び人間の運命に関する問いは、「私たちはただ一度だけ生まれてくるのか、それとも常に再受肉することによって連続しているか?」という問いに密接に関わってきます。この講義では、繰り返される地上生と運命の法則についての問題が、詳しく扱われています。
1912年4月3日〜1912年4月14日、ヘルシンキ、11回の講義
付、公開講義:オカルティズムとイニシエーション
Die geistigen Wesenheiten in den Himmelskoerpern und Naturreichen
□第1講 1912 4・3 ヘルシンキ
地球のエーテル体のなかにエレメンタル存在たちを観るための道。空の青、植物の緑、雪の白さは道徳的感情を喚起する:物質に対する敬虔さ、理解、解明。音とそのオクターヴによって私たちは希望と理性の共鳴を体験する。金属的なものの背後に、霊眼ははっきりした形の輪郭を備えたエレメンタル存在を見出す:地のエレメンタル存在。降り注ぐ雨やたちのぼる霧の中で絶えず形を変えている存在:水のエレメンタル存在。これらの存在たちは春に植物を地から引き出す。
□第2講 1912 4・4
空気のエレメンタル存在は稲妻のように輝きつつ現れる;これらは萎れ、枯死していくものの中に生き、成熟に関わって働く。火のエレメンタル存在は芽の保護者である。地球のアストラル体は眠っている人間に体験される;眠っている人間のなかには、四季の変化をもたらす周期の霊が生きている;これらは地球を地軸を中心に回転させ、昼と夜にはたらきかける。人間はオカルト的進化に際して記憶と良心を失ってはならない;そうすれば彼は自我のなかで目覚め、運行する太陽を夜であっても観ることができる。自然霊の世界は自然の諸力の中に、周期の霊の世界は自然法則の中に、惑星霊の世界は自然の感覚の中に現れる。
□第3講 1912 4・5
人間は内面生活を営み、天使は絶対的な真実のなかに生きる:天使が知覚するものは、彼らの内的性質の外界における開示である。内面生活の代わりに天使は霊の充溢を経験する;天使は個々の人間の指導者である。民族の指導者は大天使、時代の指導者はアルヒャイ:アルヒャイの後裔は地の自然霊、大天使の後裔は水の自然霊、天使の後裔は空気の自然霊。人間が愛の行為を成すと、人間は豊かになり、貧しくはならない:水を空けてもより一層満たされるグラスの比喩。通常の内面生活を克服するための修行;そのためには数学が役立つ。
□第4講 1912 4・6
霊視の最初の段階において人間はアストラル体を用いる;その時知覚するものを彼は後から思い出すことができる;第二段階ではエーテル体を用いる;その時霊視は通常の意識状態の中にもたらされ、第二ヒエラルキアの存在たち:エクスシアイ、デユナーミス、キュリオテテスが認識される。人間は他の存在の中に潜りこむのを感じる。通常の意識状態でこれに似ているのは、同情、愛。第二ヒエラルキアの存在たちの場合、その本性の開示は何か独立なものとして残されていて、内部では、霊的な音、宇宙の音楽として知覚される生命が喚起される。エクスシアイはあらゆる命あるものに形を与える者;形態の変化の中にデユナーミスが開示する。骨相、さらには葉や花の形を観ることにおいて、人間はキュリオテテスを認識する。第二ヒエラルキアの存在たちの後裔は、植物と動物の集合魂
□第5講 1912 4・7
霊視の第三段階において私たちは観察した存在と一体化するだろう;その時私たちは第一ヒエラルキアの存在たち:トローネ、ケルビム、セラフィムを知覚する。彼らは自らの複製を自身から完全に分離する:他の存在を創り出すことが彼らの内面生活。彼らの後裔は周期の霊たち。より高次の存在たちは、もっとも下位の部分としてエクスシアイを、つづいてデユナーミス、キュリオテテス、トローネ、ケルビム、セラフィムを有する。彼らは三位一体 Dreieinigkeit:父・子・聖霊を仰ぎ観る。形態霊の外的な形姿は惑星であり、その背後に動きの霊、叡智の霊、意志の霊、ケルビム、セラフィムがいる。気象現象においてはデユナーミスがはたらいている;惑星の意識はキュリオテテス;トローネは空間のなかでの惑星の運動を調節する;ケルビムはこれらの運動が互いに同調するよう導き、;セラフィムは各惑星系の間の調和を司る。最高の三性Dreiheit は、個々の惑星系の宇宙空間での覆いとしてある。
□第6講 1912 4・8
ルツイファー的な霊は独立した内面生活を発達させることに努める;彼らはそうすることにより虚偽の霊となる。より高次のヒエラルキアに満たされる代わりに、彼らは自らを高次のヒエラルキアから切り離す。惑星とは、その見かけ上の楕円軌道で境界づけられた空間全体を、エーテル実質で満たすもの。惑星のエーテル領域を支配する形態霊は、太陽から働きかける。これに対抗して外からルツイファー的なエクスシアイが働きかけ、それにより反転が起こる:これが物質的惑星。私たちの地球は実際のところ宇宙空間の孔 Loch である。物質は壊れた形態(フォルム)である。セラフィムとケルビムは太陽の光の担い手である;これらに対してルツイファー的な霊が働きかけ、光を投げ返す。このことを最初に講義したのはゾロアスターで、彼は太陽の霊をアフラ・マズダ、対抗する闇の霊をアングラ・マイニュと呼んだ。
□第7講 1912 4・10
セラフィムから叡智の霊までの霊的存在たちは、太陽つまり恒星の進化を支配する;形態霊までの存在たちは諸惑星の影響領域を、大天使までの存在たちは月の影響領域を通る。アストラル体は脳と膵臓に、エーテル体は肝臓に、自我は血液組織に浸透する。月は惑星系の死体、惑星は生体、ちょうど地球上の動物のような;恒星、太陽はオカルト的には、植物のエーテル体のような印象を与える:恒星には、自身の最も外側の縁まで達する、惑星系のエーテル体がある。霊的な惑星存在たちにはアストラル体もある。ルツィファー存在たちの害する力は彗星を通して集められる;彗星は空間次元よりさらに外側の進路を取るため、たいてい惑星系に進入する時に新たに再び出現し、それからまた消滅する。彗星においてはセラフィムとケルビムが作用している。
□第8講 1912 4・11
オカルト的に自らを進化させる者は、天使の知覚方法で世界を見ることを学ばねばならない。彼は物質的な体については何も見ないが、天体についての記憶像はまだ有している;記憶像は過去として呈示される。月を観察しつつ、彼は太古の月紀状態に引き戻される;この月がエクスシアイの働きで地球になった。霊視的眼差しを諸惑星に向けると、やはり記憶像が得られる。人間が同情と愛のみを感じる時、物質的な太陽は消え去る。エジプトの秘儀においては真夜中に太陽が観られる:地球の太古の太陽状態まで遡る。ニーベルンゲンの財宝は実際黄金製の護符である。人間は物質界に自我を有し、動物の集合自我はアストラル界に、植物の集合自我はデヴァチャン界に、鉱物のそれは高次デヴァチャン界にある。春に植物が生じて来る時、アストラル界にある植物のアストラル体は眠りに入り、秋に萎れる時に目覚める。石を砕くと、鉱物のアストラル体はデヴァチャン界で幸福感を得る。植物を根こそぎ引き抜くと、アストラル界の植物のアストラル体は痛みを感じる。(根から上の部分であれば摘んだり切ったりしても痛みは感じない。)
□第9講 1912 4・13
理性は動物界でも働いている:スズメバチは紙を作る。6つから7つの惑星から動物の集合自我は動物界の主要なタイプに働きかけ、さらに獣帯の12の像が働きかけて特徴づける。これら動物の集合自我は、月紀に人間にアストラル体を与えたデユナーミスの後裔である。これらに対抗するルツィファー的な霊が、人間の種族を諸惑星から主要な人種へと特徴づける。デュナーミスは諸惑星からインスピレーションを与えておおきな文明衝動を導く。例えばオカルト的な水星からブッダ衝動への;従ってH.P.ブラヴァッキーは”ブッダ=水星”と言った。植物のアストラル体には、デュナーミスの後裔が諸惑星から働きかける;それらは螺旋状の葉の発端部分に作用する。植物の茎の方向には植物の集合自我が太陽から働きかける;それらはキュリオテテスの後裔である。周期の霊は螺旋状の運動原理を茎の中の原理と結びつける:円環状にとどまる葉脈のなかに螺旋原理、果実のなかに茎に作用する原理をもたらす。太古の太陽紀にキュリオテテスが人間にエーテル体を与えた;現在キュリオテテスは、太陽から植物の垂直性のなかに働きかける。7人のリシ(神仙)はアトランティスの7つの偉大な文化の記憶を再現したが、彼らにとってヴィシュヴァカルマンはそれを超越していた。ゾロアスターはこの叡智の霊をアフラ=マズダと、エジプト人たちはオシリスと呼んだ;オシリスはテュフォンにばらばらにされ、人間は死んでから彼に出会う。アトランティス後第4文化紀においてキリストは3年間この叡智の太陽霊から直接インスピレーションを受けた;キリストは地球文化を統合する霊である。西洋はこのキリスト衝動を東洋から受け取った。
□第10講 1912 4・14
鉱物界の結晶の形は形態霊あるいはその後裔の作用の仕方に帰せられる;エーテル的なものが諸惑星のデュナーミスから下方へ流出し、その実質を創り出す:土星からは鉛、木星から錫、火星から鉄、オカルト上の金星から銅、オカルト上の水星から水銀が創られる。鉱物のアストラル的なものは、太陽上のキュリオテテスあるいはその後裔から来る。ルツィファー的な叡智の霊が太陽からエーテル的なものを地球上に流出させて、金に作用する。さらに月から銀に作用するエーテル流によって均衡がたもたれる。叡智の霊たちは恒星で生活している;恒星の物質的な光はルツィファー的な叡智の霊から来る。鉱物の集合自我には惑星系の外からトローネあるいはその後裔が作用する;それらがルツィファー的になると、流星や彗星のなかに現れる;これらは惑星系を通過する際に、鉱物的なものを付加する;この鉱物的なものはトローネにも由来する。土星には以前長い尾があり、それが後に収縮して閉じた輪になった;この輪自体が彗星の尾のようなものである。天王星と海王星はずっと後になって飛んできた惑星である。トローネの段階にあるルツィファー的な霊たちを通じて彗星は鉱物的な性質を獲得する。もともとエクスシアイが人間の集合魂を創り、それがさまざまなヒエラルキアの他の存在たちによってさらに分化された。ヤハヴェはキリストの月からの反映である。H.P.ブラヴァッツキーにとってもヤハヴェは月の神であり、その敵対者がルツィファーである。このような天界の考察を、地上に調和と平和を生み出す道徳的な力の源泉としたい。
■オカルティズムとイニシエーション
公開講演 1912 4・12 ヘルシンキ
死後の生活、再受肉と運命。私たちは、創造に参加することのできるものだけを認識する。私たちの昼の生活は破壊のプロセスであり、夜にふたたび創造的に調停される。同情と愛が私たちを未知のもののなかに入り込ませると、より高次の世界に由来する良心が内から語り始める。より高次の認識を獲得するための、瞑想と集中による修行は、最初その人自身が創り出した像Bilderの体験に導く;彼はそれによってひとつの創造的なプロセスに参加する。インスピラツィオーンはさらに高次の状態である。以前の時代では修行はグルの指導のもとに行われたが、現代ではその人自身のエネルギッシュな意志決定がグルに交替せねばならない。現代の文化はもはやアデプトを引合に出すことに耐えられない。H.P.ブラヴァッキーはまだグルに拠り所を求めている。
1912年6月2日〜1912年6月12日、クリスティアナ(オスロ)、10回の講義
付、それに関するノートの記録
Der Mensch im Lichte von Okkultismus,Theosophie und Philosophie
●主な内容
・仏陀とキリスト
・古代の秘儀におけるオカルト修行の段階
・神智学と科学
・仏陀とピタゴラス。秘儀のさまざまな種類。
胸及び脳の体験とともにある神秘家。
・人間の形態の二重の変化、12の黄道十二宮の像と関係した
12の部分におけるその構成。
・それぞれ7つに分かれた上部、中部、下部の人間における
人間の形態の必須の部分。
「三つがひとつであり、ひとつが三つ」
・古代の秘儀における太陽崇拝、星崇拝、月崇拝。
・死の体験。福音書における試みの歴史。
・月、太陽、金星の諸力の三重の人間への働き。
真の占星術の本質。7つの内的な運動の惑星との関連。
・地球の以前の受肉の段階でのルシファーとキリスト。
1912年8月25日〜8月31日、ミュンヘン、8回の講義
第3の神秘劇「境域の守護霊」の初演に関係して行われた。
Von der Initiation.
Von Ewigkeit und Augenblick.
Von Geisteslicht und Lebensdunkel.
●主な内容
・人智学的営為に関連したシュレー「エレウシスの秘儀」
・秘儀参入と秘儀参入者の本質
・「境域の守護霊」
・秘儀参入と死の謎
・瞬間と永遠
・個々人のための秘儀参入の道。
例としてのトマシウス、カペシウス、シュトラーダー。
・思考を浄化する力
1912年9月15日〜9月24日、バーゼル、10回の講義
Das Markus-Evangelium
この講義は、シュタイナーの福音書講義のなかのひとつで、ちょうど、クリシュナムルティ事件などもあって、神智学協会から離れ、まさに、「人智学」としての活動を始める転機の時期の重要な講演です。
シュタイナーが、アニー・ベサントの神智学協会と見解を全く異にしたのは、「キリスト」に関してのとらえかたであって、救世主などを戴こうとしてしまうような東洋的な神智学協会に対して、シュタイナーは、この講義でもキリスト理解の重要性を繰り返し訴えています。キリスト理解においては、「自我」ということが非常に重要な問題となってきますが、そうした「自我」への理解を深めるという点でもこの講義集は必読のものだといえます。
*邦訳
・「マルコ伝」(市村温司訳/人智学出版社)
●主な内容
・古き時代の完結と新しき時代の始まり。
ヘクトール=ハムレット。エンペドクレス=ファウスト。
・歴史は不可視の霊的生起が可視的現象として現れたもの。
旧約聖書と福音書の構成は極めて芸術的であり、
霊的な意味での劇的な迫力と盛り上がりとを持つ。
・洗礼者ヨハネの精神科学より見た背景。洗礼の意味。エリヤの霊的本性。
エリヤ−ヨハネ−ラファエル。
・仏陀とソクラテス。
人類進化の相対せる二つの流れと、そのキリストによる統合。
・クリシュナの啓示。クリシュナの後継者である仏陀。
キリスト・イエスの先行者である洗礼者ヨハネ。
・東洋的世界観と西洋的世界観−−無時間的観照法と歴史的観照法。
エリヤの魂と十二使徒。ペテロの告白と人類進化の節目。
秘儀公開を前にしての世界史的な神の独白。
・秘儀参入としてのゴルゴタの秘儀。キリストと十二使徒との交流。
人間の肉体の内部へ自我の力が浸透すること。
シロスのフェレキデス。エンペドクレスの魂の呼び声。
ゴルゴタから答える声が響く。
・ゴルゴタの秘蹟の更に深い秘密。
「山上」、「湖畔」、「家の内」の秘儀的意味。
変容の情景。モーゼとエリア。ベタニアでの塗油。いちじくの樹。
・マルコ福音書の内的構成の芸術性の深さ。
キリスト・イエスの使命について、
ゴルゴタの秘蹟当時に可能であったはずの3種類の理解−−
選ばれた使徒たちによる理解、古代ヘブライ民族の指導者たちによる理解、
ローマ人による理解。
・この人を見よ。キリストという生起に対して、人間の外的認識力は無効である。
ゴルゴタの秘蹟を理解する鍵。
超感覚的方法による理解を求めることの必然性。
ゴルゴタの秘蹟を真に理解する道としての霊視的研究法。
1912年9月15日〜9月24日、バーゼル、10回の講義
Okkulte Untersuchungen ueber das Leben zwischen Tod und neuer Geburt
Die lebendige Wechselwirkung zwischen Lebenden und Toten
●主な内容
・人間の惑星領域通過とキリスト認識の意味
・死後の生活におけるカルマの技術についての若干
・感覚内容と生の内容としての人智学。隠されたものの前での敬虔と畏敬。
・死と再受肉の間の生の宇宙的な側面。星界領域を貫く道。
・あの世の通過点としての地球生の使命
・感覚界と超感覚界の間の諸関連
・生者と死者の間の生きた相互作用
・人間の地上的な諸力の霊視的探究の諸力への変化
●邦訳/シュタイナー「精神科学から見た死後の生」(西川隆範訳/風濤社/2000.7.20発行)所収
■死後の宇宙体験
(1912年12月15、ベルリン)
(GA140「死と再受肉のあいだの生についての神秘学的探究」所収)
■死者との交流(一)
(1913年10月10、ベルゲン)
(GA140「死と再受肉のあいだの生についての神秘学的探究」所収)
1912年11月5日〜1913年4月1日、ベルリン、10回の講義(連続講義37)
Das Leben zwischen dem Tode und der neuen Geburt
im Verhaeltnis zu den kosmischen Tatsachen
●主な内容
・カマローカ期移行の死後の生活
・惑星領域における人間の拡大
・生者の死者に対する関係
・マクロコスモスの一員としての人間
・眠りと死
・地球進化と火星進化
・人間の生の7年周期
・形態の霊の働きについて
・新たな生への移行
・生者と死者の間の裂け目に橋を架けること
1912年12月28日〜12月31日、1913年1月1日ケルン、5回の講義(連続講義25)
Die Bhagavad Gita und die Paulusbriefe
バガヴァッド・ギータとパウロ書簡 GA142
●第一講/1912年12月28日、ケルン
ギリシア精神によって刻印づけられた三千年。十九世紀における東洋の叡智の浮上。それに関するヴィルヘルム・フォン・フンボルトの説。バガヴァッド・ギーターにおける三つの霊的潮流の合流:ヴェーダ、サーンキヤ、ヨーガ。これらの潮流は現代の精神科学において新たな形式を得る。キリスト教とパウロによるその生き生きとした作りかえ。
●第二講/1912年12月29日
バガヴァッド・ギーターの認識の基礎。サーンキヤ体系:プラクリティ、プルシャ、三つのグナの段階。アリストテレスにおけるこの体系の余韻。ゲーテの色彩論にこの新たな復興が見られる。ヨーガの課題:この三昧の行により失われた霊性をを取り戻すこと。ひとつの時代の経過の文学、教義としてのバガヴァッド・ギーター。
●第三講/1912年12月30日
人間の魂と運命への世界観の影響。バガヴァッド・ギーターの超個人的な「崇高さ」。パウロ書簡の個人的参加(アンガージュマン)。クリシュナと彼の教えの本質。バガヴァッド・ギーター第11歌。
●第四講/1912年12月31日
過去の進化の花としてのバガヴァッド・ギーター、未来の進化の萌芽としてのパウロ書簡。クリシュナの行いによって特徴づけられる時代の経過。キリスト衝動によるより高次の進化段階への移行。魂的なものの内からの把握とルツィファー、アーリマンとの対決。
●第五講/1913年1月1日
クリシュナによるひとりの人間への呼びかけとキリスト衝動による全人類への呼びかけ。共同体におけるさまざまな霊的天分の共同と愛についてのパウロの言葉。マーヤに関するインド哲学の回避。神々の作品としての世界の霊性を求めるキリスト教的探求。キリストの本質と行い。キリストの<光輝Licht-Schein>としてのクリシュナ。自己認識と自己教育を通じての人間と世界(宇宙)との宥和への道。
1912年1月11日〜12月29日、諸都市、14回の講義
Erfahrungen des Uebersinnlichen.
Die drei Wege der Seele zu Christus.
*邦訳/
以下の内容のうち
「意識の反射。上部意識と下意識。」と「魂生活の隠れた諸力」のみ。
「魂の隠れた深み」(河出書房新社)
●主な内容
・神経質と自我
・時代の変遷の中での人間の魂の活動
・認識の道とその人間の道徳的本性との関係
・過去と未来における霊的観照を暗示する良心と驚き
・意識の反射。上部意識と下意識。
・魂生活の隠れた諸力
・魂のキリストへの3つの道(2講演)
・比喩及び実際の形態における天界の秘密
・キリスト衝動の前告知と使者
・世界観の統合のために。4重の使者。
・愛と世界におけるその意味
・神聖な夜の闇からの地上の光の誕生
・霊的に理解されうるキリスト衝動を告げる者としてのノヴァーリス
1913年2月3日〜2月7日、ベルリン、4回の講義
Mysterien des Morgenlandes und des Christentums
*邦訳/
「秘儀参入の道」(平河出版社)所収
この講義集は、現代の人間のが自己認識を得るための重要な示唆を与えてくれるもので、非常に重要な内容が盛り込まれていて、必読のものであるといえます。
参考までに、第四講の「東方の秘儀と聖杯」から重要箇所を引用紹介させていただくことにします。
咬みつくような疑念を通過したことのない近代の深い魂というのは本来存在しません。現代の魂はこの咬みつくような疑念を知らねばならないのです。そうして始めて、意識魂にとって本来的なものである霊的な智の中に力強く合流するのです。この霊智は意識魂から悟性魂(心情魂)の中に流れ込み、その主とならにばなりません。それゆえ、私たちは理性的な方法で、霊的な智から私たちの意識魂に与えられるものに浸透されようと試みなければなりません。このことを通して、私たちの内面における真の主、支配者たる自己を引き寄せるのです。現代の秘儀の本質を知るとき、私たちは私たち自身に向かい合っているのです。
●主な内容
・秘儀の本質と人間の精神生活
・真夜中の太陽
・宇宙音楽と宇宙言語
・東方の秘儀と聖杯
1913年3月20日〜3月29日、デン・ハーグ、10回の講義(連続講義27)
Welche Bedeutung hat die okkulte Entwickelung des
Menschen fuer seine Huellen - physischen Leib,Aetherleib,
Astralleib - und sein Selbst?
●主な内容
・秘教の影響の下での人間の覆いの変化
・嗜好品の内的な体験
・人間の感覚の進化
・エーテル的なものの差異化された体験
・判断、感情、意志の変化
・楽園神話と聖杯神話
・アンフォルタスとパルツィファル
・境域の守護霊。カインとアベルの物語。
・ケンタウロスとスフィンクス。ルツィファーとアーリマン。
エーテル的なものにおけるキリストの出現。
・世界史の語り手としてのエーテル体
1913年5月28日〜6月5日、ヘルシンキ、9回の講義(連続講義28)
Die okkulten Grundlagen der Bhagavad Gita
●主な内容
・バガヴァッド・ギータの世界史的意味
個別の自我体験を導く者としてのクリシュナ
・ヨーガの道の階梯
・共感の力の変化を通した夢の生活の浄化
・周期的な生の法則
人間の生体組織における霊的力の働き
・バガヴァッド・ギータの芸術的構成
クリシュナ衝動及びキリスト衝動の意味
・バガヴァッド・ギータの思考内容と
フィヒテ、ヘーゲル、ソロヴィヨフの哲学との間の関係
1913年8月24日〜8月31日、ミュンヘン、8回の講義(連続講義28)
シュタイナーの第4番目の神秘劇「魂の目覚め」の初演に際して
Die Geheimnisse der Schwelle
●主な内容
・魂の目覚め
追想の階梯
・ルツィファーとアーリマンの本質と活動
悪はいかにして生まれるか?
・エレメンタル界の魂体験
・本来の霊界における魂の上昇
・世界観における三位一体の支配
思考、言葉、文字
・霊界における人間の魂の別の自己との出会い
・ヨハネス・トマジウスの発展
ドッペルゲンガー
青年のヨハネスの霊
別のフィリア
・ルツィファーとアーリマンの影響
境域の守護霊
1913年〜1914年、諸都市、18回の講義
Aus der Akasha-Forschung.
Das Fuenfte Evangelium.
4つの福音書についての一連の講義において、シュタイナーは、福音書の開示する内容の霊的価値について洞察を与えていますが、この第五福音書に関する講義においては、ナザレのイエスの真の歴史的生に関する精神科学的研究成果からヨルダン川の洗礼までの記述も重要視されています。そして、こうした認識結果をシュタイナーは「第五福音書」、また「認識の福音書」とも呼んでいます。
●主なテーマ:
ナザレのイエスの少年及び青年時の体験
ナザレのイエスは、古代の偉大な霊的潮流の枯渇に関して
深い認識の苦しみを持っていたこと
マクロコスモス的な主の祈りの開示
エッセネ派及び洗礼のヨハネへの関係
ヨルダン川での洗礼への歩みの体験
*翻訳
「第五福音書」(イザラ書房)
*この講義集のうちの一部分
1913年12月28日〜1914年1月2日、ライプツィヒ、6回の講義(連続講義31)
Christus und die geistige Welt.
Von der Suche nach dem heiligen Gral.
●第1講/1913年12月28日、ライプツィヒ
ゴルゴタの秘蹟の前後数百年における人間生活の著しい変化。ギリシア哲学による思考生活の深化。それにもかかわらず当時、ゴルゴタの秘蹟を理解する可能性はなかったこと。思考生活の深化とキリスト衝動を引き起こすのは同じ高度に霊的な力。パウロの神学。グノーシス派の概念−原父・沈黙・31のアイオーン・神的ソフィア・Achamod・父なる神の息子・聖霊・デミウルゴス。
●第2講/1913年12月29日
グノーシス派は、キリストの存在とナザレのイエスとの関連についての理解が不十分。古代インドの神仙(リシ)たち、ザラトゥストラの弟子たち、カルデアの賢者たちなら、キリスト出現に関して理解できたであろうこと。黄金・乳香・没薬。キリストは、彼を理解するには最も適さない時代に地球に現れる。神学的学識はますますキリスト理解から遠ざかる。シビュレ(古代の巫女)たち。ミケランジェロの予言とシビュレたち。古代の叡智の名残はキリスト衝動によって破壊された。パウロ、古代の予言者の後裔。パウロとオリーブの木の世界。
●第3講/1923年12月30日。
二人のイエス少年。地球進化の経過における人間の魂進化。ナータン系のイエスの本質の三重の影響−人類の諸感覚の進化、生命器官、魂進化(思考・感情・意志)への影響。聖ゲオルクが龍に打ち勝つ。この調和させる力の反映としての音楽芸術(アポロ)。ミダスとマルシアスの神話。キリストがアポロの中に<魂化すること>。
●第4講/1913年12月31日
三重のキリスト事件が後アトランティス時代に及ぼす影響。ザラトゥストラ:年代記の世界観。アフラ・マズダ、アーリマン、ザラナ(ズルワン)・アカラナ、アムシャスペンド、イズド。エジプトとカルデアの秘儀:占星学。ギリシアの秘儀:気象学。古ヘブライの叡智:地質学。預言者たち。ゴルゴタの秘蹟の前告知としてのアティス−アドニス崇拝。エリヤの転生としての洗礼者ヨハネ。アポロと月桂樹、パウロとオリーブ。
●第5講/1914年1月1日
魂の基底へのキリスト衝動の作用。マキセンティウスへのコンスタンティヌスの勝利。パルツィヴァルと聖杯。聖なる器。ミケランジェロのピエタ。クレティアン・ド・トロワ、ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ。Kyot。パルツィヴァルの秘密の中に再び現れでる星の書物。Ganganda greida、さまよえる糧。
●第6講/1914年1月2日
復活祭。霊的な啓示をキリストで貫くこと Durchchristung 。ヤハウェ:地球の主と月の母との結びつき。キリストに貫かれた現代の巫女としてのオルレアンの処女。人類の歴史と星の書物との共鳴。ヨハネス・ケプラー。聖杯の星辰の面と人間的な面。ヨハネス司祭の領域。「光は東方より Ex oriente lux 」
1913年1月12日〜12月23日、諸都市、10回の講義
Die Welt des Geistes und ihr Hereinragen in das physische Dasein
Das Einwirken der Toten in die Welt der Lebenden
●主な内容
・春分、四月、復活祭の日曜日
・感覚体験と死者の世界の体験
・生者の世界への死者たちの働きかけについて
・魂の諸力のイニシエーションへの変化
・人智学的認識の光の中の魂の自由
・地球の冬と太陽−精神の勝利
・子供の力と永遠の力、クリスマスの贈り物
1914年1月20日〜1月23日、ベルリン、4回の講義(連続講義23)
Der menschliche und der kosmische Gedanke
●主な内容
・形態霊の領域から運動霊の領域への上昇としての、
固定した思考から動きのある思考への上昇。
・十二の異なった観点から、
十二の同等の世界観を通して世界を考察する可能性。
・七つの世界観の気分(七惑星)と
十二の世界観のニュアンス(黄道十二宮)の関係。
世界観の三つの音調(トーン):太陽、月、地球。
神人同形説の特殊な位置(地球)
・スピリチュアルな占星学の観点から見た霊的宇宙の中にある人間。
ヒエラルキアの思考としての人間。
Vorstufen zum Mysterien von Golgatha
●主な内容
・秘教の学と秘教的進化ー秘儀参入
・ゴルゴタの秘蹟の時代のキリストと20世紀のキリスト
・ミカエル衝動とゴルゴタの秘蹟
・数世紀にわたるキリストの道
・ゴルゴタの秘蹟の三つの前段階
・時代のなかのキリスト衝動と人間のなかで働くその力
・キリスト霊と、その意識の進化との関わり
・キリスト認識における進歩と第五福音書
・四つのキリストの供犠 ゴルゴタの秘蹟の三つの前段階
1914年4月9日〜4月14日、ウィーン、6回の講義(連続講義32)
付、1914年4月6日〜4月8日、ウィーン、先だって行われた2回の公開講義
及び、挨拶
Inneres Wesen des Menschen und Leben zwischen Tod und neuer Geburt
「この連続講義の目的は、死と再受肉との間の関連において人間の内的生活について叙述し、この二つの存在の領域を内的に関係づけることにあります。またそれと同時に、そこで示されたものを認識することで、困難な生の状態において人間を実際に方向づけることのできる指針を持つという目的があります。」
●主な内容
・人間の魂生活の4つの圏域と空間におけるその影響
・時間における肉体外離脱
・ファントムと記憶庫
・宇宙的叡智の組織的な魂の諸力への変化
創造力としての意志
・外界としての我々自身の過去
1914年5月17日〜5月26日、諸都市、7回の講義
Wie erwirbt man sich Verstaendnis fuer die gaistige Welt?
Das Einfliessen geistiger Impulse aus der Welt der Verstorben
●主な内容
・いかにして霊界を理解するか?
・詩人であり思想家であり、また一人の人間であるロベルト・ハマーリング
・時代の要請としての霊的思考の覚醒
・我々の存在への霊界の働きかけ
・科学、知性、そして霊視的探究の統合としての精神科学
・信仰と科学
聖ヨハネ祭と復活祭
1912年5月23・24日、コペンハーゲン、5月28日〜30日、Norrkoeping、
7月12日〜16日、Norrkoeping、10回の講義(連続講義34)
Christus und die menschliche Seele
Ueber den Sinn des Lebens. Theosophische Moral.
Anthroposophie und Chrisutentum.
1914年10月7日〜12月26日、ドルナハ、
1914年12月27日、バーゼル、11回の講義
Okkultes Lesen und okkultes Hoeren
*邦訳/
・「霊視と霊聴」(西川隆範訳/水声社)
(1914年10月7日〜6日分のみ/本書の第II部)
●主な内容
・瞑想はいかに成立するか?
・イマジネーション界の記号と霊的現実が一体になること
・反射装置としての我々の有機体組織
・霊界の母音と子音としての内的体験と魂の調子
・宇宙言語の体験
エーテル体の7分節と肉体の12分節
・クリスティアン・モルゲンシュテルン
・黄道十二宮と惑星を結びつける我々のアストラル体
古代における書法
「黒い芸術」
ゲーテの色彩論
・味覚体験
植物セラピー
宇宙の霊的生活のための表現としての過去
・記憶像と創造的ファンタジー
客観的な思考体験
・芸術、科学、宗教の再統合
・新たなキリスト理解のクリスマス
・宇宙的なキリストと我々の内なるキリスト理解
1914年9月1日〜1915年7月6日、ベルリン、14回の講義
(連続講義39<時代考察>)
Menschenschicksale und Voelkerschicksale
●主な内容
・精神科学の光の中の国民性と国家
・ヨーロッパの諸民族の本質
・キリスト衝動とそれに仕えるミカエルの精神の本質
・個人的−超感覚的なもの
・イマジネーション的認識の道の三つの決定
・宇宙存在の偉大な進化過程における眠りと目覚めのリズム
・さまざまなヨーロッパ民族のその民族霊による刻印
・ドルナハにおける造形的な建築グループについて
・夢の予言的な性質と夢想家または月人について
太陽人と土星人について
・我々の感覚知覚、思考、感情、意志の宇宙的な意味について