■GA292 内的霊的衝動の写しとしての美術史
Kunstgeschichte als Abbild innerer geistiger Impulse
13回のスライド講義 1916年10月8日から1917年10月29日
これらの講義においてシュタイナーは、700以上のスライドにより美術史の発展の道筋を示した。15世紀における大きな転回点、ルネサンスから始まり、ギリシア古典におけるルネサンスの根源と初期キリスト教の形成を振り返り、さらに中部ヨーロッパ領域においてこれらの力が、デューラーという頂点からレンブラントという頂点へと独自に展開していくことが明白にされる。個々の芸術作品に詳しく言及されることはまれであるが、作品のなかに現われている霊的力についてはその分いっそう迫力をもって語られる。
●内容
・第4後アトランティス文化期の移行期におけるイタリア・ルネサンス形成の
なかの人間の意識の歩み。チマブエ、ジョットー。
・ルネサンスの三大画家、レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロ。
・中部ヨーロッパ、北欧、南欧の芸術衝動の理解の基盤、
中部ヨーロッパ、北欧、南欧の芸術の対立と関連。
デューラーとホルバインに至るまでのドイツの彫塑と絵画。ラファエロ。
・北欧の芸術とイタリア・ルネサンス芸術。ドイツおよびオランダの彫塑。
ミケランジェロ。
・芸術の進化のなかの独自の現象。レンブラント。
・第5後アトランティス文化期の芸術における意識魂の働き。
15世紀オランダ絵画。
・クリスマスのモチーフ。モザイク、細密画。イタリア、オランダ、ドイツ。
・南欧と北欧についての理念から得られた成果。ラファエロ、デューラーその他
のドイツ絵画。
・第5後アトランティス文化期における第4後アトランティス文化期の再体験。
ギリシア・ローマ彫刻、ルネサンス彫刻。
・第5後アトランティス文化期の始まりにおける第4後アトランティス文化期の
イマジネーション的、霊的な像の芸術的表現。
ラファエロの「聖体の論義」と「アテネの学堂」。
・第4後アトランティス文化期の黄昏と第5後アトランティス文化期の夜明けと
の間の中部ヨーロッパの個的な芸術表現法。この個的な表現法と、南欧を通じ
ての東方(イコン)の伝統との闘い。
イコン、細密画、ドイツ絵画。
・「黄金芸術と宝石芸術」の都市文化と、その第5後アトランティス文化期にお
ける第3後アトランティス文化期と第4後アトランティス文化期の三つの主要
な衝動の余韻の働き。
古代キリスト教の彫刻、石棺とレリーフ、ヒルデスハイムのベルンヴァルト。
・芸術表現におけるキリスト理解の歩み。
古代キリスト教の絵画とモザイク、イタリア絵画、デューラー。