シュタイナー全集

GA312-319 

 医学に関する講義


 

 シュタイナーがこれらの講義で扱おうとしているのは、従来の医学的科学的認識や経験を拒否することでも、医学を包括的に新しく創造することでもなく、治療芸術の領域において、認識形成を拡大することです。

 ですから、シュタイナーは医者や医学生や治療教育家といった専門的に教育された聴衆にそれを提示し、また、医学者会議や開業医との協議(GA314)での討論のためにその見解を提出しました。

 医学と芸術の内的な関連については、「治療オイリュトミー」(GA315)で明らかになり、「治療教育講義」(GA317)ではさらに精神科学に貫かれた治療芸術の課題が教育学の領域において明確なものとされています。

 医学領域でのシュタイナーの認識は、今日、数多くの医療実践や病院、そして製薬において受け容れられています。

 

■GA312 精神科学と医学 

■GA313 治療法の精神科学的観点

■GA314 精神科学を土台とした生理学と治療法

■GA315 治療オイリュトミー

■GA316 医学の深化のための瞑想的考察と指導

■GA317 治療教育講座

■GA318 医師と牧師の協力/牧師-医学者講座

■GA319 人智学的人間認識と医学

 


 

■GA312 精神科学と医学 

Geisteswissenschaft und Medizin

医学者及び医学生のための20回の講義:1920年3月21日から4月9日、ドルナハ、(最初の医学講義)

 現在、「神秘学遊戯団ホームページ」で、翻訳紹介しているのがこの講義集です。この講義集は、イタ・ヴェークマンとの共著である「治療芸術の精神科学的認識への拡大のための基礎(Grundlegendes fuer eine Erweiterung der Heilkunst

nach geisiteswissenschaftlichen Erkenntnissen)」(GA27)と並んで、人智学的に拡大された医学を修得するための基本となっています。


 

■GA313 治療法の精神科学的観点

Geisteswissenschaftliche Gesichtspunkte zur Therapie、医学者及び医学生のための9回の講義:1921年4月11日から4月18日、ドルナハ、(第二医学講義)


 

■GA314 精神科学を土台とした生理学と治療法

治療学と衛生学について

Physiologisch-Therapeutisches auf Grundlage der Geisiteswissenschaft.Zur Therapie und Hygiene

12回の講義、誓い、挨拶、医学者との2回の討議:1920年,1922年から1924年、ドルナハ及びシュトゥットガルト、(第二医学講義)

*主な内容/

 ・精神科学を土台とした生理学と治療法

  (人智学大学の最初の演習の内の4回の講義、1920年、ドルナハ)

 ・薬物学のための人智学的基礎

  (医学者のための4回の講義、1922年、シュトゥットガルト)

 ・治療法について

  (人智学の医者のための3回の講義、1923/24、ドルナハ)

 ・社会問題としての衛生学(公開講義、1920年4月7日、ドルナハ)

 ・誓い「精神病理学のために」(1920年ドルナハ)

 ・医学者集会の際の挨拶と2回の討議(1924年、ドルナハ)

 


 

■GA315 治療オイリュトミー

Heileirythmie

医学者及びオイリュトミストのための8回の講義、1921年4月12日から4月18日、ドルナハ、1922年10月22日、シュトゥットガルト、(第二医学講義)


 

■GA316 医学の深化のための瞑想的考察と指導

Meditative Betrachtungen und Anleitungen zur Vertiefung

医学者のためのクリスマス講義:1924年1月2日から1月9日、ドルナハ、8回の講義、医学者のための復活祭講義:1924年1月21日から1月25日、ドルナハ、5回の講義、第一回状:1924年4月24日、ドルナハ、夕べの集会

 


 

■GA317 治療教育講座

Heilpaedagogischer Kurs

治療教育者と医学者のための12回の講義:1924年6月25日から7月7日、ドルナハ、付、オリジナルの黒板絵による色付の複製

 治療教育の領域のためのシュタイナーのこれらのそれぞれの連続講義においては、魂を養護する必要のある子供たちに関わる仕事のために、精神科学的な基礎が形作られています。

この連続講義は、その後広く世界に広がった治療教育運動の出発点となっています。もちろんそれは、通常の意味での治療教育の手引きというのではなく、むしろ、養護、養育、治療のための基準や個々の観点がそこからはじめて生まれる肉体的、魂的、及び霊的な異常や障害をもった人間の運命の背景の根本的な全体像が与えられているのです。

 邦訳から、個々の講義のタイトルをご紹介しておきます。

・第1講/治療教育の基本的観点

・第2講/本来の魂のいとなみ

・第3講/知覚障害と癲癇

・第4講/ヒステリーの本質

・第5講/硫黄過多の子と硫黄不足の子

・第6講/治療教育の実際 その1

・第7講/治療教育の実際 その2

・第8講/治療教育の実際 その3

・第9講/治療教育の実際 その4

・第10講/治療教育の実際 その5

・第11講/治療教育の実際 その6

・第12講/まとめの話

*邦訳/「治療教育講義」(角川書店/高橋巌訳)

 


 

■GA318 医師と牧師の協力

      牧師-医学者講座

Das Zusammenwirken von Aerzten und Seelsorgern

Pastoral-Medizinischer Kurs

医師と聖職者のための11回の講義:1924年9月8日から18日、ドルナハ、及び医学者への挨拶:1924年9月18日、付、筆写による24ページのノート

 


 

■GA319 人智学的人間認識と医学

Anthroposophische Menschenerkenntnis und Medizin

医師と医学生のための7回の講義、及び公開講義:1923年、1924、諸都市

■主な内容/

・人智学的精神科学に基礎づけられた治療方法を理解するための諸原則

・病理学、精神科学的認識の基礎に基づいた治療と製薬

・人智学的精神科学と医学的認識

・人智学的人間認識と医学

・精神科学的考察によって治療法は何を得るのか?

・精神科学から見た治療の技術


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