I:GA51-84 公開講義
Oeffentliche Vortraege
シュタイナーは、世紀末以降すぐに、人智学が精神科学の智として含んでいるものを公開で伝え始めました。
「秘教的な認識は、その価値を十分に認めることができる極力狭いサークルの裡に留め置かれるべきだと考えていた。もし私が霊認識のために公的な活動を展開しようとするならば、私はこの伝統を破棄することを決心しなければならなかった。私は自分が現代の霊的生活の諸条件に直面していると気づいた。これらの諸条件を前にすると、中世の時代には当然のことであった秘密保持は、もはや不可能であった。今や私たちは、何らかの知識が得られた暁には、それを公表することが望まれる時代に生きている。」(シュタイナー自伝II/人智学出版社P176)
シュタイナーは、その死に到るまでに、ドイツや他のヨーロッパの国々で何百回もの公開講演を行いました。ここに収められているものは、聴講者の記録や速記者の記録から生まれたもので初期には要約したノートという性格をもっていましたが、後には、語られたものをそのまま再現したものになりました。
■GA51 哲学・歴史・文学について/ベルリンの「労働者学校」及び「自由大学」での講演 |
*GA52−67ベルリンの連続公開講演<建築家宅での講演> |
■GA52 霊的心理学と世界観察 |
■GA53 人間の起源と目的〜精神科学の基礎概念 |
■GA54 世界の謎と人智学 |
■GA55 我々の時代の超感覚的なものの認識と今日の生にとってのその意味 |
■GA56 魂と霊の認識 |
■GA57 どこで、そしてどのように霊を見出すか? |
■GA58 魂的生活の変容〜魂的体験の道 第一部 |
■GA59 魂的生活の変容〜魂的体験の道 第二部 |
■GA60 存在の大いなる問いへの精神科学の答え |
■GA61 霊的探究の光の中の人間の歴史 |
■GA62 霊的探究の成果 |
■GA63 人生の宝としての精神科学 |
■GA64 運命を担う時代から |
■GA65 中部ヨーロッパの精神生活から |
■GA66 霊と物質、生と死 |
■GA67 人間の魂における永遠のもの/不死と自由 |
Ueber Philosophie,Geschichte und Literatur (1901-1905)
Darstellungen an der <<Arbeiterbildungsschule>>
und der <<Freien Hochschule>>in Berlin
この巻に収録されているものは主に次のテーマです。
・古代から現代までの世界観と人生観
・偉大な発明と発見までの中世の歴史
・シラーとその時代
シュタイナーはここで、どのような意味で歴史を扱おうとしているのかを明示しているのだといえます。その内容は、シュタイナーの全著作のなかでは、新たな歴史科学を指し示している序曲という位置づけができます。シュタイナーは、「わが人生の歩み」で、世紀末のベルリンでの労働者学校での活動についてこのように書いています。
「労働者たちは、このような仕方で、歴史における認識能力、宗教的衝動、芸術的衝動、倫理的な衝動を理解し、これらをイデオロギーとしてのみみなすことをやめました。」
1903年から1918年まで、シュタイナーは、冬学期(10月〜3月)毎に、ベルリンのヴィルヘルム通りにある建築家の家で、毎週、大勢の聴衆を前に、公開講義行いました。
講演の場所から名づけられた<建築家宅での講演>で、シュタイナーは、例として、最も多様な仕方で現れてくる人生と時代の問題が人智学の観点からどのように観察され得るのかを示しています。同時に、何度もさまざまな観点で講演が行われることで、人智学的な精神科学の基礎が発展していくことになりました。公開講演の内容は、精神科学を方法論的に導入する性格をもっています。従ってそれは、人智学の内容との最初の出会いを求めているすべて人のために今日でもなおふさわしいものです。
1903年9月6日〜1904年12月8日、ベルリン、18の回の講演
Spirituelle Seelenlehre und Weltbetrachtung (1903/1904
●主な内容
・人間における永遠なものと無常なもの
・魂の起源
・神智学的見地からの神性の本質
・神智学とキリスト教
・神智学の認識論的基礎
・神智学的心理学
・心霊術の歴史
・催眠作用と夢遊病の歴史
・今日の人間は神智学に何を見出すか?
・神智学は非科学的か?
1904年9月29日〜1905年6月8日、ベルリン、23回の講義
Ursprung und Ziel des Menschen
Grundbegriffe der Geisteswisenschaft (1904/1905)
●主な内容
・現代の人間は神智学に何を見出すか?
・人間の本質
・輪廻転生とカルマ
・神智学とダーウィン
・神智学とトルストイ
・魂の世界
・霊の国
・フリードリヒ・ニーチェ
・内的生活から
・人間の起源と目的
・地球の起源
・偉大な秘儀参入者
・イプセンの精神様態
・人間の未来
・ゲーテの福音書
・ゲーテの秘密の開示−−緑の蛇と百合姫のメルヘン
・シラーと現代
・さまざまな学部と神智学
1905年10月5日〜1906年3月3日、ベルリン、22回の講義
Die Weltraetsel und die Anthroposophie (1905/1906)
●主な内容
・ヘッケル、世界の謎と神智学
・我々の世界情勢。戦争、平和、そして精神の科学。
・神智学の根本概念
・精神科学と社会問題
・女性問題
・宗教における叡智の核
・友愛と現存在の闘い
・内的進化
・クリスマスのお祝い
・キリスト教の叡智の教え
・再受肉とカルマ
・ルツィファーの子供たち
・ゲルマンとインドの秘密の教え
・19世紀の神智学
・ジークフリートと神々の黄昏
・パルツィファルとローエングリン
・パラケルスス
・ヤーコプ・ベーメ
1906年10月11日〜1907年4月26日、ベルリン、
1906年12月1日、ケルン、13回の講義
Die Erkenntnis des Uebersinnlichen in unserer Zeit
und deren Bedeutung fuer das heutige Leben (1906/1907)
●主な内容
・超感覚的なものの認識
・血はまったく特性のジュースだ
・悲しみの起源
・悪の起源
・病気と死をどうとらえるか?
・子どもの教育
・学校問題
・狂気
・叡智と健康
・人間の経歴
・薔薇十字会員とは誰か?
・リヒャルト・ワーグナーと神秘主義
・聖書と叡智
1907年10月10日〜1908年5月14日、、ベルリン、ミュンヘン、15回の講義
Die Erkenntnis der Seele und des Geistes (1907/1908)
●主な内容
・我々の時代における神秘学の使命
・岐路にある自然科学
・魂及び霊の認識
・秘儀参入及び聖別
・精神科学の光の中の男性、女性、子供
・動物の魂
・病的妄想
・健康熱
・職業と所得
・太陽、月、そして星
・地球のはじまりと地球の終わり
・地獄
・天
1907年10月15日〜1908年5月6日、、ベルリン、18回の講義
Wo und wie findet man den Giest? (1908/1909)
●主な内容
・どこで、そしてどのように霊を見出すか?
・ゲーテの秘密の開示、顕教的にそして秘教的に
・聖書と叡智
・迷信
・栄養問題
・健康問題
・トルストイとカーネギー
・思考の実際的な形成
・人間性の不可視の部分と実際生活
・人間の気質の秘密
・ゲーテの「ファウスト」の秘密、顕教的にそして秘教的に
・ニーチェ
・イシスと聖母マリア
・古代ヨーロッパの霊視
・ヨーロッパの秘儀とその秘儀参入
1908年10月14日〜1909年12月9日、ベルリン、
1910年12月5日、1910年3月14日、ミュンヘン、9回の講義
Metamorphosen des Seelenlebens- Pfade der Seelenerelebnisse
Erster Teil (1909/1910)
●主な内容
・精神科学の使命、今、昔。
・怒りの使命
・真理の使命
・信心の使命
・人間の性格
・禁欲と病気
・エゴイズムの本質
・仏陀とキリスト
・精神科学の光に照らした月に関する若干のこと
1910年1月20日〜1910年5月12日、ベルリン、9回の講義
Metamorphosen des Seelenlebens- Pfade der Seelenerelebnisse
Zweiter Teil (1910)
●主な内容
・精神科学と言語
・笑うことと泣くこと
・神秘主義とは何か?
・祈りの本質
・病気と治療
・ポジティブな人間とネガティブな人間
・錯誤と精神異常
・人間の良心
・芸術の使命
1910年10月20日〜1911年3月16日、ベルリン、15回の講義
Antworten der Geisteswissenschaft auf die Grossen Fragen des Daseins
(1910/11)
●主な内容
・精神科学の本質と現代におけるその意味
・生と死
・人間の魂と動物の魂
・人間霊と動物霊
・眠りの本質
・植物界における霊
・いかにして霊界の認識を得るか?
・人間の素質、才能、そして教育
・ツァラツストラ
・ガリレイ、ジョルダーノ・ブルーノ、そしてゲーテ
・地質学は世界の成り立ちについて何を言わなければならないか?
・ヘルメス
・仏陀
・モーゼ
・天文学は世界の成り立ちについて何をいわなければならないか?
1911年10月19日〜1912年3月28日、ベルリン、16回の講義
Menschengeschichte im Lichte der Geistesforschung (1911/12)
●主な内容
・人間の超感覚的世界への関係
・死と不死性
・預言の意味
・パラケルススからゲーテへ
・魂生活の隠された深み
・幸福、その本質と仮象
・預言者エリア
・人間と動物世界の起源
・キリストと20世紀
・人間の歴史、現代と未来
・コペルニクスとその時代
・人間、動物、植物の死
・人間の自己教育
・永遠の本質と人間の魂の本性
・ダーウィンと超感覚的研究
1912年10月31日〜1913年4月10日、ベルリン、14回の講義
Ergebinisse der Geistesforschung (1912/13)
●主な内容
・現代と未来のための霊的探究の諸課題
・超感覚的認識の道
・人生の諸問題のための霊的探究の成果と死の謎
・自然科学と精神科学
・ヤーコプ・ベーメ
・ヘルマン・グリム
・ラファエルの使命
・メルヘン文学
1913年10月30日〜1914年4月23日、ベルリン、12回の講義
Geisteswissenschaft als Lebensgut (1913/14)
●主な内容
・霊界と精神科学
・神智学(Theosophie)と反智学(Antisophie)
・精神科学と信仰告白
・死について
・人間の魂の不死性の意味
・ミケランジェロとその時代
・悪
・人間生活の道徳的基礎
・ヴォルテール
・人間の死と再誕の間
・ホムンクルス
1914年10月29日〜1914年4月23日、ベルリン、
1915年5月12日、ニュルンベルク、1915年11月28日、ミュンヘン、14回の講義
Aus schicksaltragender Zeit (1913/14)
●主な内容
・我々の悲運の日々におけるゲーテの精神様態
・シラーとフィヒテの民族
・生と死における人間の魂
・諸民族の魂
・ゲルマン的な魂とドイツの精神
・生の幸福な時間及び真剣な時間における精神−認識
・ドイツ精神の根本的な力
・人間の本質に関して死すべきものは何か?
・ドイツの民族魂の若返る諸力
・人間の本質に関して不死のものは何か?
・ドイツ観念論の成果としての思考の場
・ドイツ観念論の世界像
・眠りと死
・自己認識と世界認識
1915年12月2日〜1916年4月15日、ベルリン、15回の講義
Aus dem mitteleuropaeischen Geistesleben (1915/16)
●主な内容
・ゲーテとドイツ観念論の世界像
・人間の魂の不死の諸力
・19世紀オーストリアの精神生活の光景
・人間の魂と人間の精神
・我々の真ん中にあるフィヒテの精神
・ファウストの世界放浪
・健全な魂生活と霊的探究
・文学と科学の領域におけるオーストリアの個性
・なぜ霊的探究は誤解されるのか?
・ニーチェの魂生活とリヒャルト・ワーグナー
・不死性の問題と霊的探究
・ドイツ的魂の進化
・肉体、魂、そして霊
1917年2月15日〜1917年3月31日、ベルリン、7回の講義
Geist und Stoff,Leben und Tod (1917)
●主な内容
・霊と物質、生と死
・運命と魂
・魂の不死性、運命の諸力、そして人間の履歴書
・自然認識及び霊認識における人間の魂と人間の肉体
・魂の謎と世界の謎
・宇宙における生、死、そして魂の不死性
・感覚の彼岸と魂の彼岸
1918年1月24日〜1918年4月20日、ベルリン、10回の講義
Das Ewige in der Menschenseele
Unsterblichkeit und Freiheit (1918)
●主な内容
・霊的探究の目的と本質
・霊存在及び魂存在としての人間
・霊的探究の父としてのゲーテ
・人間の霊、魂、肉体
・霊的探究の光の中での自然とその謎
・人類の歴史的生活とその謎
・無意識的なものの開示
・超感覚的人間
・人間世界と動物世界--起源と進化について
・精神科学的探究の成果による超感覚的人間
・人間の意志の自由と不死性の問題