シュタイナーの講演集の最も多くの部分は、20世紀の初頭から、人智学協会の会員のために(1912年までは神智学協会として)、ドイツやスイスやその他の国々で、行われた講演、連続講演です。それらの講演が、この第II部に年代順に収められています。
■GA90−92 未刊行 |
■GA93 神殿伝説と黄金伝説 |
■GA93a 秘教の基本要素 |
■GA94 宇宙発生論 |
■GA95 神智学の門前にて |
■GA96 精神科学の根源的衝動/新たな霊認識の光の中のキリスト教的秘教 |
■GA97 キリストの秘儀 |
■GA98 自然存在と霊存在 − 可視的世界におけるその働き |
■GA99 薔薇十字会の神智学 |
■GA100 人間の進化とキリスト認識〜神智学と薔薇十字会/ヨハネ福音書 |
■GA101 神話と伝説。オカルトの記号と象徴 |
■GA102 霊的諸存在の人間への働きかけ |
■GA103 ヨハネ福音書 |
■GA104 ヨハネ黙示録 |
■GA104a ヨハネ黙示録の絵文字から |
■GA105 宇宙、地球、人間。その本質と進化、及びエジプト神話と現代の文化の間の関連におけるその反映。 |
■GA106 エジプト神話と秘儀 |
■GA107 精神科学的人間学 |
■GA108 人智学による世界と人生の諸問題についての答え |
■GA109 再受肉の問題に関連した霊的経済の原理〜人類の霊的指導という観点 |
■GA110 霊的ヒエラルキーとその物質界における反映 |
■GA112 他の3つの福音書、特にルカ福音書との関係におけるヨハネ福音書 |
■GA113 西洋の光の中の東洋〜ルツィファーの子供たちとキリストの同朋者たち |
■GA114 ルカ福音書 |
■GA115 人智学・心智学・霊智学 |
■GA116 キリスト衝動と自我意識の発展 |
■GA117 福音書の光に照らされた人類生成の秘密 |
■GA118 エーテル界におけるキリストの出現という出来事 |
■GA119 マクロコスモスとミクロコスモス/大宇宙と小宇宙/魂の問題、生の問題、霊の問題 |
■GA120 カルマの開示 |
■GA121 ゲルマン・北欧の神話に関連した個々の民族魂の使命 |
未刊行
Die Tempellegende und die Goldene Legende
als symbolisher Ausdruck vergangener und zukuenftiger
Entwickelungsgeheimnisse des Menschen
Aus den Inhalten der Esoterischen Schule
この巻にまとめられている講演は、1904年から1914年に、3つのクラスからなっていたシュタイナーの秘教学院で教えられたものですが、これによって秘教的研究のある形式が準備されたといえます。神殿伝説及び黄金伝説というふたつの伝説は、特に秘教学院の第二部の主要な瞑想の内容を形成していて、この巻の講演は、特にこのふたつの伝説の解釈にあてられています。
●邦訳/「神殿伝説と黄金伝説/シュタイナー秘教講義より」
(高橋巌・笠井久子・竹腰郁子訳/国書刊行会/1997.9.22発行)
1905年9月26日-11月5日、ベルリン、31回の講義
Grundelemente der Esoterik
●主な内容
・重要な進化の階梯のための古い象徴
・活動、叡智、意志
・3つの自然界と人間の意識の階梯。スフィンクスの謎
・蜂と蟻。賢者の石
・4つのエーテル様態
・7つの存在の階梯
・意識、生、形式
・輪廻転生。十二宮と文化の発展
・感覚器官と地球の未来
・形式状態
・自己意識、無私、カルマ
・人間の肉体の成立
・ヒエラルキーと意識の階梯
・プララヤ
・薔薇十字の教え
・黒魔術と白魔術
・自然のエレメンタル存在と人為的なエレメンタル存在
・3つのロゴス
Kosmogonie.
1906年5月25日-6月14日、パリ、8回の講義
Populaerer Okkultismus.
1906年6月28日-7月11日、ライプツィヒ、14回の講義からのノート
Das Johannes-Evangelium.
1906年2月19,26日-3月5日、ベルリン、3回の講義からのノート
Die Theosophie an Hand des Johannes-Evangeliums.
1906年10月27日-11月6日、ミュンヘン、8回の講義からのノート
1906年8月22日-9月4日、シュトゥッツガルト、14回の講義と2つの質疑応答
(連続講義録第1巻)
Vor dem Tore der Theosophie
この初期の重要な連続講義録は、精神科学の全領域に関する概観を理解するためには最良のものとなっています。この会議室でも、いちばん最初に行った読書会のテキストがこれでした。シュタイナーの神秘学を全体として理解するための最初の1冊といえば やはりこれを選ぶのが適切ではないかと思ったからです。
●邦訳
「神智学の門前にて」(西川隆範訳/イザラ書房/1991.9.10)
●主な内容
・人間の本質
・3つの世界
・欲界における魂の生活
・神界
・高次の世界における人間の仕事
・子どもの教育、カルマ
・人間の生活におけるカルマの法則の働き
・善と悪
・地球の進化
・人間の進化
・修行
・東洋の行法とキリスト教の行法
・薔薇十字の修行、人間と地球
1906年1月29日-1907年6月12日、ベルリン、20回の講義
Ursprungsimpulse der Geisteswissenschaft
Christliche Esoterik im Lichte neuer Geist-Erkenntnis
●主な内容
・精神科学の根源的衝動
・地球の内部とヴルカンの発生
・過去と未来の霊認識
・霊的認識の基礎に立った教育実践
・カルマと個々のカルマの法則
・人間の感覚の外界への関係
・認識の小道とその階梯
・栄養の問題と治療方法
・クリスマスの記号と象徴
・主の祈り
・惑星進化との関連における人間の生の段階
・十字架に流れる血の世界史的な意味
・精神科学によるキリスト教への道
・人格の3つのアスペクト
1906年2月9日-1907年3月17日、諸都市での31回の講義と6つの質疑応答
Das christliche Mysterium
●主な内容
I.福音書の真理の言葉
・キリストの秘儀
・ダンテの「神曲」における中世の宗教的世界像
・秘儀参入文書としてのヨハネ福音書
・ゴルゴタの秘儀
・信仰告白と祈りの言葉の源泉
・山上の垂訓
・主の祈り
II.ルツィファーとキリスト
III.古代の秘儀と薔薇十字の秘儀
IV.精神科学の認識と生の果実
・行為の働きとしてのカルマの法則−病気の原因と遺伝
・リヒャルト・ワーグナーの作品における聖杯の秘密
・超感覚的なものの表現としての「パルツィファル」の音楽
・地球の内部
・地球と人類の進化との関連における宝石と鉱物
・教育問題の精神科学的な観点
・動物の魂と人間の個性
1907年11月5日-1908年6月14日、諸都市での18回の講義
Natur- und Geisteswesen - ihr Wirken in unserer sichtbaren Welt
●主な内容
I.
・オカルト的進化のいわゆる危険について
・秘教的進化と超感覚的認識
・薔薇十字運動
II.
・人間のその周囲の世界への関係について
・エレメンタル界、その存在様態とその働き
・人間の自然への関係
・動物、植物、鉱物の集合自我について
・エレメンタル諸存在と他の高次の霊的諸存在
1907年3月22日-6月6日、ミュンヘン、14回の講義
Die Theosophie des Rosenkreuzers
この連続講義で、シュタイナーは、薔薇十字会に関連させて、宇宙、地球、人間の包括的な進化像からの常に新しい観点や死と再受肉の間の生の存在形式について語っています。また、カルマの法則が個人の自由と矛盾するのではなく、人間は自己教育や霊的修行によって進化することができるのであるということが示され、またキリスト教及び薔薇十字の修行についての記述でこの連続講義が締めくくられています。
なお、この連続講義に関しては、この「神秘学遊戯団」においても、昨年あたりに途中までではありますが、読書会を進めたことがありますが、これも「神智学の門前にて」と同じく、この連続講義の内容が、シュタイナーの神秘学の概要を説明するのに適しているからとの判断からでした。「神智学の門前にて」よりも興味深いのは、そのタイトルでもわかるように薔薇十字会の視点が特に最初の部分に前面にだされているということです。その視点というのは、過去の霊性に依拠しない「叡智の新しい型」ということで現代人にとって非常に重要なものとなっているのだといえます。
参考までに、本文からその典型的な姿勢についての部分をご紹介させていただくことにします(以下の邦訳書から)。
霊的認識の日常生活への関与の可能性を、薔薇十字的神智学は提供します。薔薇十字の叡智にとって、同情心についての話は危険なものでもりうるのです。同情心を絶え間なく強調するのは、一種のアストラル的歓楽と考えられるからです。アストラル界において物質界における歓楽に相当するものは、いつまでもただ感じようとし、認識しようとしない傾向です。(中略)もうひとつの特徴は、一見奇妙なことですが、薔薇十字の叡智は霊視能力を通してのみ見出されるものでありながら、通常の悟性によって理解できるということです。霊界を体験するには霊視状態にある必要があります。けれども、霊視者が見たものを理解するためには霊視力を必要とはしません。霊視者が霊界から出てきて、今日の人類に必要な知識をもたらすため に霊界で生起していることを語るとき、一般の人々は理解しようとすれば、 霊視者の語る言葉を理解できるのです。人間は霊視者の言葉を理解できるという天賦を賦与されているのです。
*邦訳
●「薔薇十字会の神智学」(西川隆範訳/平河出版社/)
●主な内容
・叡智の新しい型
・人間の本質
・元素界と天界・目覚めと眠りと死
・再受肉への過程
・死後の生命・物質界への再受肉
・運命
・カルマ
・七つの意識状態
・宇宙の進化I
・宇宙の進化II
・地球上での人間の進化I
・地球上での人間の進化II
・人類の未来
・秘儀参入の本質
1907年6月16日-6月29日、カッセル、11月16日-6月25日、バーゼル、22回の講義
Menschheitsentwickelung und Christus-Erkenntnis
Thesophie und Rosenkreuzertum - Das Johannes-Evangelium
●主な内容
I.神智学と薔薇十字会
・天の国
・我々の地上的な能力の霊領域における能力の転換
・人間の地上への下降
・言語形成と惑星進化
・地球の初期惑星状態の通過
・キリストの秘儀の階梯
・薔薇十字の修行
II.ヨハネ福音書
・我々の時代のヨハネ福音書
・人間の7つの構成要素の本質
・地球進化とキリストの本質
・叡智(月)と愛(地球)の宇宙
・後アトランティス文化期
・人間の由来−−地球霊としてのキリストの本質
・カルマの思考とキリスト教
1907年9月13日-12月29日、ベルリン、シュツットガルト、ケルン、16回の講義
Mythen und Sagen.Okkulte Zeichen und Symbole
この講義で、シュタイナーは神話と伝説、記号と象徴についての霊的な意味について説明しています。それらの像の形のなかに、人間の霊的世界との関連からいって、太古の認識が今も残っているのだといえます。
●主な内容
・古代北欧とペルシアの神話
・人間の肉体の退縮していく器官と生成してくる器官。死の観相学。
・創世記第一章
・白魔術と黒魔術
・建築物とフォルムの人間への働きについて
・象徴学と数
・黙示録の封印
・薔薇十字の象徴
・人間の環境への態度
・人間の自我の基本要素としての愛の形成
・集合自我と個の自我
・フェニックス
・霊的な意味におけるフォルムと数
・鏡の象徴
・クリスマス−−生きた叡智からの考察(ウィタエソフィア)
1908年1月6日-6月11日、ベルリン、13回の講義
Das Hereinwirken geistiger Wesenheiten in den Menschen
●主な内容
・動物、植物、鉱物の集合魂。プロメテウス伝説
・惑星存在、太陽存在、そして黄道十二宮存在
・霊的諸存在の行為としての地球の初期の受肉。火星、水星、木星の働き。
・形態霊。クロノスとガイアの神話。
・宇宙進化。動物、植物、そして鉱物以前に最初に生まれた者としての人間。
熱組織としての地球。
・古い月としての集合魂的意識
・人間の上位にある霊的ヒエラルキー。時代霊としての根源的力。
・ヨーガの成立。ヴェーダの哲学、ヘブライ、エジプトの体系。
ギリシアの宗教体系。
・集合魂を持った存在から個性をもった存在への人間の進化
・エレメンタル存在について。動物、植物、鉱物の自我−魂。
・芸術における人間の霊的諸存在との結びつき。
眠りにおける人間の諸力の調和
1908年5月18日-5月31日、ハンブルク、12回の講義(連続講義3)
Das Johannes-Evangelium
この講義で、シュタイナーは福音書の根底にあるもっとも霊的なもののもつ深い意味を語っています。ヨハネ福音書は、我々に、突出した人間存在としてではなく、地球全体を抱きしめている存在として、キリストを示しているのだといえます。ヨハネ福音書は、単に読まれる本ではなく、生きられねばならない、そんな一冊の本。
このヨハネ福音書講義の他に、シュタイナーには、ルカ福音書講義、マルコ福音書講義、マタイ福音書講義などがあり、どれも注目すべきキリスト論です。現在、邦訳のないのは、マタイ福音書講義のみ。
●主な内容
・ロゴスの教え
・キリスト教的秘教。神的な前人間。
・地球の使命
・ラザロの復活
・キリスト以前の秘儀参入。カナの婚礼。
・「我有り。」
・ゴルゴタの秘蹟
・キリスト原理との関連における人間の進化
・預言的な知らせとキリスト教の発展
・人類の内部でのキリスト衝動の作用
・キリスト教的秘儀参入
・処女ソフィアと聖霊の本質
●邦訳/「ヨハネ福音書講義」(高橋巌訳/春秋社)
1908年6月17日-6月30日、ニュルンベルク、13回の講義(連続講義6)
Die Apokalypse des Johannes
これは、聖書におさめられているヨハネの黙示録に関するシュタイナーの総合的な観点からの講義で、きわめて注目すべき内容が盛り込まれています。邦訳もありますので、ぜひお読みいただきたい一冊でもあります。
*邦訳
「黙示録の秘密」(西川隆範訳/水声社)
●主な内容
・キリスト教の秘儀参入の叙述としての黙示録
・秘儀参入の本質
・第一の封印と第二の封印
・七つの教会への手紙
・七つの封印とその開示
・人類と地球の進化。24人の長老とガラスの海。
・ゴルゴタの秘儀
・霊化された地球への歩み。太陽をまとった女。
七つの頭と十本の角をもった獣。
・意識、生命、形態の七つの状態。怒りの鉢。
・六六六という数、ソラト、太陽の悪魔。
バビロンの没落と子羊の婚礼。
新エルサレム。
ミカエルが竜に打ち勝つ。
・第一の死と第二の死。
・新しい天と新しい地。黙示録の源。
1907年4月22日-5月15日、ミュンヘン、4回の講義、
1909年5月9日-5月21日、クリスティアナ(オスロ)、12回の講義、
の参加者の記録より。
1908年、ニュルンベルクでの「ヨハネ黙示録」の講義への補足。
Aus der Bildschrift der Apokalypse des Johannes
この巻には、シュタイナーがヨハネ黙示録について行った二つの連続講義の内容の概要がおさめられ、さらにニュルンベルクでの講義に関するものが補足としておさめられています。
その本質と進化、及びエジプト神話と現代の文化の間の関連におけるその反映。
1908年8月4日-8月16日、シュトゥッツガルト、11回の講義(連続講義4)
Welt,Erde und Mensch,deren Wesen und Entwickelung sowie
ihre Spiegelung in dem Zusammenhang zwischen aegyptischen
Mytos und gegenwaertiger Kultur
●主な内容
・エジプト文化と現代
・太古の叡智と新たな黙示録的な叡智
・自然界と霊的諸存在の世界
・構成要素及び宇宙的進化状態における霊的諸存在の外的な現れ
・宇宙進化との関連における人間の進化
・地球存在の主としての形態霊
・人間の激情の固定化した観相学的表現としての動物の形態
・人間のさまざまな天体との関係
1908年9月2日-9月14日、ライプツィヒ、12回の講義、
Aegyptische Mythen und Mysterien
●主な内容
・古代と近代の文化の流れの間の霊的諸連関
・宇宙的事象の人間の宗教的観照への反映
・古代の秘儀参入の状態。瞑想の内容としての人間の形態。
・オシリス神話
・男性と女性の成立
・人類の進化
・動物界の成立
・初期キリスト教の魚のシンボル
・エジプトの秘儀参入の本質
・ギリシア芸術の創造における霊の刻印
・物質の超克者としてのキリスト衝動
1909年10月19日-6月17日、ベルリン、19回の講義(連続講義A)
Geisteswissenschaftliche Menschenkunde
シュタイナーは、この講義で、人間の本質、その地上的及び霊的本性と霊的世界の諸領域と諸存在との関係について明らかにしています。さらに、宇宙的生起としてのキリスト事件及び全地球進化にとっての意味について述べています。
●主な内容
・アストラル界
・物質界の歴史と隠された歴史
・ アストラル界の法則:断念
デヴァチャン界の法則:供犠
・苦痛、哀しみ、喜び、歓喜の本質について
・人間の4つの集合魂、獅子、雄牛、鷲、人間について
・忘れること
・病気の形式の本質
・十戒の本質と意味:自我ー意識
・原罪の本質
・人間の肉体のリズムについて。
自我ーーーーー24時間
アストラル体ー7×24時間
エーテル体ーー4×7日
肉体ーーーーー10×7×4日(女性)
12×7×4日(男性)
・メフィストフェレスと地震
・病気とカルマ
・キリストの行為とそれに敵対する霊的諸力である
ルツィファー、アーリマン、アスラ
・笑うことと泣くこと。人間における神的なものの骨相学。
・さまざまな人種における自我の刻印。
・進化、退化、無からの創造。
1909年3月14日-1909年11月21日、諸都市、21回の講義と2つの質疑応答
Die Beantwortung von Welt- und Lebensfragen durch Anthroposophie
●主な内容
I
・高次世界について
・自己認識とは何か?
・2つの再受肉の間の生
・十戒
・認識の小道。人間の地球との内的な関係について。
・カルマの法則の諸問題
II
・ノヴァーリスと彼の「夜の賛歌」
・見者、ノヴァーリス。クリスマスの秘儀。
・メルヒェン解釈
III
・人智学の哲学に対する姿勢
・哲学について
・形式論理
・哲学と形式論理について
・ヘーゲルの諸概念とカテゴリー論の形成
・思考の実際的な訓練
1909年1月21日-6月15日、諸都市、23回の講義
(ブダペストで10回の講義:「神智学と薔薇十字のオカルティズム」)
Das Prinzip der spirituellen Oekonomie
im Zusammenhang mit Wiederverkoerperungsfragen
Ein Aspekt der geistigen Fuehrung der Menschheit
*邦訳(一部のみ)
・「輪廻転生とカルマ」「仏陀からキリストへ」(水声社)所収
●主な内容
・再受肉の問題に関連した霊的経済の原理
・我々現代の人類におけるキリスト教
・マクロコスモスの火とミクロコスモスの火−−呼吸の霊化と血の霊化
・ゴルゴタ事件−−聖杯の友愛−−霊化された火
・古代の開示と近代の問題学習
・アルファの神とオメガの神
・仏陀からキリストへ
●邦訳/シュタイナー「精神科学から見た死後の生」(西川隆範訳/風濤社/2000.7.20発行)所収
■精神科学から見た死後の生(一)
■精神科学から見た死後の生(二)
連続講義「神智学と薔薇十字神秘学」(1909年5月〜6月、ブダペスト)の第3講と第4講
(GA109「輪廻問題との関連における霊的経済の原則」所収)
1909年4月12日-4月22日、デュッセルドルフ、10回の講義と2回の質疑応答
Geistige Hierarchien und ihre Widerspiegelung in der physischen Welt.
Tierkreis,Planeten,Kosmos
●邦訳/「シュタイナー 霊的宇宙論/霊界のヒエラルキアと物質界におけるその反映」
(高橋巌訳/春秋社/1998.12.20発行)
1909年6月24日-7月7日、カッセル、14回の講義
Das Johannes-Evangelium im Verhaeltnis zu den drei anderen Evangelien,
besonders zu dem Lukas-Evangelium
●主な内容
・ヨハネ−キリスト教徒
・アカシャ年代記。ナザレのイエスにおけるキリストの誕生
・人間の四重性
・我々の太陽系のヒエラルキー存在と地球領域
・ルツィファーとアーリマンと神的霊的諸存在の領域
・後アトランティスの秘儀参入の在り方。ヨハネの洗礼。
・水の洗礼と火と霊の洗礼
・秘儀参入の秘密。ダマスクス体験。
・ヨハネ福音書の芸術的構成
・ゴルゴタの秘儀の意味
・キリストの肉体としての地球。
霊的に生きているキリストの告知者としてのパウロ。
キリストの秘儀参入の7つの階梯。
−−ルツィファーの子供たちとキリストの同朋者たち
1909年8月23日-8月31日、カッセル、9回の講義とゲーテ祭のための考察
Der Orient im Lichte des Okzidents
Die Kinder des Luzifer und die Brueder Christi
タイトルにもあるように、この連続講義は、東洋の霊性に
西洋の霊認識の光を当てることを試みています。
また、そのなかで、ルツィファーの本質についての視点がふくまれ、
そのなかで、キリストの本質が描き出されている注目すべき講義だといえます。
*邦訳
・「西洋の光の中の東洋」(西川隆範訳/水声社)
●主な内容
・西洋の光に照らした霊認識の使命
・西洋の秘儀参入の最初の4つの階梯
・エリーニュスとエウメニデス。
土星進化、太陽進化、月進化、地球進化と4つの人間本性。
キリスト事件。
・東洋と西洋の思考方法の相違。
インドラ。イェホヴァ。キリスト。
・インド、ペルシア、ギリシアの神的世界
薔薇十字の秘儀参入。
・オイディプス神話とユダの神話
・数の秘密。イエスとキリスト。スキティアヌス。ゴータマ・ブッダ。
ゾロアスター。マヌ。バルラームとヨサファットの伝説。
1909年9月15日-9月26日、バーゼル、10回の講義(連続講義10)
Das Lukas-Evangelium
この講義は、仏教とキリスト教の関係について理解するために、
そしてキリストがどういう存在かを理解するためにも最重要のものです。
*邦訳
「ルカ福音書講義/仏教とキリスト教」(西川隆範訳/イザラ書房)
●主な内容
・秘儀参入者と霊視者
・仏陀の世界観のルカ福音書への流入
・仏教とゾロアスターの偉大な霊統がナザレのイエスに合流する。
ナータン系のイエスとソロモン系のイエス。
・ヘブライ民族の使命。エリアと洗礼のヨハネ
・輪廻転生とカルマとキリスト教
1909年10月23日-10月27日、
1910年11月1日-11月4日、
1911年12月12日-12月16日、ベルリン、12回の講義
Anthroposophie - Psychosophie - Pneumatosophie
*翻訳
「心理学講義」(西川隆範訳/平河出版社)
「心智学(サイコソフィー)」が、第二部に収められています。
上記の訳書の「訳者あとがき」から、人智学・心智学・霊智学それぞれについて、内容を紹介しているところを引用紹介しておくことにします。
●人智学(アントロポゾフィー)について
この講演で、シュタイナーは人間の感覚を論じて、生命感覚・運動感覚・均衡感覚・嗅覚・味覚・視覚・熱感覚・聴覚・言語感覚・概念感覚という10の感覚を人間は有しているとしている。
10の感覚に加えて、眉間にイマジネーション感覚、後頭部にインスピレーション感覚、心臓のあたりにイントゥイション感覚という超感覚器官が存在する。
●心智学(サイコソフィー)について
「判断」と「愛と憎しみ」の考察からはじまり、判断が表象にいたり、愛と憎しみは欲望から生じることが語られている。欲望が心魂の境界に跳ね返されて心魂のいとなみのなかに生きると、それが感情なのだ、とシュタイナーは語っている。そして、表象が過去から流れてくるのに対し、欲望および愛と憎しみは未来からやってくる流れであると指摘し、この二つの流れのぶつかりが意識なのだとしている。そうして、精神科学の観点から、過去から未来に流れるのがエーテル体、未来から過去に流れるのがアストラル体、それらの時間の流れに垂直に上から下る自我の流れ、下から垂直に交わる物質体という人間の秘密が解き明かされている。
●霊智学(プネウマトゾフィー)について
心魂に表象、判断、愛と憎しみの現象(心情の動き)の3つの働きがあるというところから出発して、表象がイマジネーション、心情の動きがイントゥイションにつながるとしている。心魂は外的な知覚に突きあたる一方、イマジネーションとイントゥイションにむけて開かれているのである。そして、イメージの漂いであるイマジネーションと、理解されないままに感じられるイントゥイションが結びつくところに、存在への接近たるインス ピレーションが現れる。
●全体の主な内容
■人智学(アントロポゾフィー)
・神智学と人類学に対する人智学の立場−人間の意味
・人間の超感覚的本質からの意味の構築
・高次の意味。人間の生体器官における諸力の流れと器官形成
・人間及び動物の器官における諸形態。
発声器官、概念の意味、そして純粋思考の形成。
思考。
■心智学(サイコソフィー)
・魂生活の諸要素。判断、愛、そして憎しみ。
・人間の魂生活の諸力の対立
・外的知覚と内的知覚。感情、美的判断。感情と意志。
・意識。自我−表象と自我の力。ゲーテとヘーゲル。
■霊智学(プネウマトゾフィー)
・フランツ・ブレンターノとアリストテレスの精神論
・精神科学的な認識の道における真理と誤謬
・イマジネーションとファンタジー。イントゥイションと良心。
存在の実現としてのインスピレーションにおけるその結びつき。
・文化の発展と自然法則に向かう人間。肉体という家。
再受肉への意志。
1909年10月25日、1910年5月8日、ベルリン、7回の講義(連続講義17)
Der Christus-Impuls und die Entwickelung des Ich-Bewusstseins
●主な内容
・ボーディサトヴァの領域
・人生のここの出来事に関するカルマの法則
・人類の進化におけるキリストの出現
・山上の垂訓
・ミクロコスモスとマクロコスモスの間の照応
・良心の成立
・回顧と予測。新たなキリスト事件。良心のさらなる形成。
1909年10月11日-12月26日、諸都市での12回の講義
Die tieferen Geheimnisse des Menschheitswerdens im Lichte der Evangekien
●主な内容
・福音書、仏陀、そして二人の子供のイエス
・福音書の光に照らされた人類生成の秘密
:4つの福音書でのキリストの記述における4つの異なったアスペクト
・古ヘブライ民族の使命
・人智学に対する正しい関係について
・マタイ福音書とキリスト問題
・自我、内なる神、そして外的に開示された神
・クリスマスツリー、ある象徴
・クリスマスの気分
1910年1月25日-4月13日、諸都市、16回の講義
Das Ereignis der Christus-Erscheinung in der aetherischen Welt
この講義に盛られた内容は、シュタイナーの神秘学の根幹にある「キリスト」に関する最重要の内容になっています。
これに関しては少しではありますが、「仏陀からキリストへ」(水声社)に部分的に紹介されているところがありますので、かなり理解しづらいかもしれませんが、それをご紹介したいと思います。また、さらにこの講義の主な内容についての少し詳しいものを次のアーティクルでご紹介することにしますので、興味のある方はぜひその概要をご覧いただければと思います。
ゴルゴタの秘蹟を通して、地球進化に全く新しい事実が生じました。以前は様々な宗教を通じて様々の概念を受け入れてきました。仏陀がイエスのアストラル体のオーラの中に輝き入ることによつて仏教から働きかけるもの、そして「魂が自然から新たなものを感じ、認識する」と私が語つたものは、洗礼によつて肉体の中に下り、ゴルゴタの秘蹟まで物質界にあつたキリストの所業に関することです。キリスト存在は今やエーテル界で新たな活動を開始しました。ヨハネによる洗礼からゴルゴタの秘蹟までは肉体の中のキリストについて語ることができるように、今からはキリスト存在のエーテル的再出現について語ることができます。エーテル体の形成、及び、自らの内に秋の印象を織り込むことを通して、エーテル的キリストを知覚することができます。キリストが物質界に下つたのは、人間が進化してキリストをエーテル的なものの中に知覚できる能力を与へるためだつたのです。
四大元素霊は自然の中で効力を発揮します。世界の中で展開した諸事象は一つの点に集結し、一般の人々が正しい方法で霊界を見出し、エーテル的に復活したキリストを見ることができるやうになります。世界史の経過の中で、キリストはエーテルの観点からのみ把握されるのです。全ての事象がいかに未来のキリストのエーテル界への出現に集結してゐるかが明らかになりました。霊的な過程全体と、その未来への発展を考察すると、愛の炎の中に自らを供犠として捧げた仏陀が私たちの霊学に霊感を与へてゐるのが分かります。(P19-20)
●主な内容
・エーテル界におけるキリストの出現という出来事
・新たなエーテル視への準備としての精神科学
・内的な進化と外的な発達の可能性
・新しい霊的(スピリチュアル)な時代とキリストの再臨
・仏教とパウロ的キリスト教
・宇宙の秘密。彗星的なものと月的なもの
・エーテル的なものの中へのキリストの出現
・霊的な時代の始まり。彗星とその地球存在にとっての意味。
・山上の垂訓
・キリストの再臨
・エーテル視の到来
・聖霊降臨祭。自由な個の祭典。
・エーテル的なものの中へのキリストの再臨
・人間の本質
・高次の世界と我々の世界との関係
・キリスト衝動とその偉大な告知者たち
1910年3月21日-3月31日、ウィーン、11回の講義
付、それに先立つ公開講義:1910年3月19日、ウィーン、
ノートから収録された2回分の講義
Makrokosmos und Mikrokosmos.
Die grosse und kleine Welt.
Seelenfragen,Lebensfragen,Geistesfragen
●主な内容
・感覚世界、魂世界、霊的世界を通じた人間の循環(公開講義)
・惑星との関係における眠っている人間と目覚めている人間
・神秘家の内的な道。一年のめぐりをともに体験すること。
・人間の魂の諸力と宇宙におけるその対応
・オシリス神話、イシス神話における弟子の指導
・北欧の秘儀における秘儀参入体験
・高次世界の4つの領域
・マクロコスモスの諸連関の鏡像としての感覚知覚と神経組織。
薔薇十字の象徴。
・魂の諸力の変化と肉体諸器官の発展段階
1910年5月16日-5月28日、ハンブルグ、11回の講義(連続講義12)
Die Offenbarungen des Karma
「輪廻転生とカルマ−カルマはどのように作用するか」、「神智学」(GA9)、「神秘学概論」(GA13)の基礎的な叙述に基づいて、この講義では、カルマに特徴づけられた、個々の人格、人類、地球、宇宙における運命の法則が詳細に記述されています。病気と健康、流行病、天災、死と生などについての人生の諸問題が、カルマの法則に関連して考察されています。
*邦訳
・「カルマの開示」(イザラ書房及び平河出版社)
1910年7月7日-7月17日、クリスティアニア、11回の講義
シュタイナーによる序文付(連続講義13)
Die Mission einzelner Volksseelen
im Zusammenhang mit der germanisch-nordischen Mythologie
この一連の講義で、シュタイナーは、民族の発展の根本になっている高次の霊的な働きを理解するための精神科学的な基礎づけを行っています。
この講義は、現代という時代を霊的な観点からアクチュアルにとらえようとするときの極めて重要な視点を提供してくれます。
村上春樹の「アンダーグラウンド」にでてきた「エグザイル」ということに関連して、シュタイナーの「故郷喪失者」ということについて言及したことがありあすが、そうしたことに関連した部分をご紹介しておきます。
故郷喪失者というのは、偉大な人類の法則を認識し、把握するときに、民族が生きる場所から発するすべての影響を受けない人間のことです。故郷喪失者というのは、故郷から発する特定の感情や感覚のニュアンスを交えることなく、人類全体の偉大な使命を受け入れる人のことです。このことから、神秘的−神秘学的な進化のある段階において、自由な視点を持つ必要があることをおわかりいただけると思います。個々の民族精神の使命として、民族の土壌から人類全体の使命に具体的に寄与するという偉大な行為に対しても、自由な観点を持つ必要があるのです。
故郷喪失者は、そのような偉大な行為から自由にならねばならないのです。(中略)故郷喪失者に対しては、つぎのように非難されました。「おまえたちは、民族の母なる大地との関連をすべて失った。おまえらちは、人間にとってもっとも大切なものを理解していない。」そうではありません。故郷喪失というのは、ひとつのまわり道なのです。故郷喪失という聖地にいたったあとで、民族の本質に帰る道を見出し、人類進化において土着のものとの調和を見出すためのまわり道なのです。(P13-14)
*邦訳
「民族魂の使命」(西川隆範訳/イザラ書房)
●主な内容
・天使、民族霊、時代霊、そしてその人間進化における働きかけ
・民族魂の内的生活−−民族の形成
・民族の発展と文化の発展
・自然の諸要素におけるヒエラルキーの現れ
・人類の主要な5つの民族
・5つの後アトランティス文化−−ギリシア神話とゲルマン神話
・過去、現在、未来における個々の民族の使命と文化