●ルドルフ・シュタイナー

「薔薇十字会の神智学」(平河出版社)購読


この「薔薇十字会の神智学」という連続講義録は、1907年に行われたもので、このときはまだ人智学協会は存在せず、神智学協会との関係をもっていたので、「神智学」という表現がされているが、それはいわゆる「神智学」ではなく、むしろ内容的には「人智学」という名称で呼ばれるのが適切だと思われる。この連続講義の後、シュタイナーは一連の福音書講義を開始するが、特にそのキリスト理解において、「神智学」とは別だととらえたほうがいい。

この連続講義で語られた内容については、「神智学」「神智学概論」(ともにイザラ書房)という基本的著作の内容をそうした著作にくらべ非常に平易に語っているものとして、「神智学の門前にて」とならび、比較的読みやすいのではないかと思われるので、今回のテキストとして選択した。そこに盛られている主な内容は、人間の本質、輪廻転生とカルマ、生と死、宇宙と人間の進化などで、それらを「薔薇十字的叡智」として開示しようとしたものである。

おそらく、これまでシュタイナーにふれたことのない方には、とまどいも多いことが推察されるが、一見荒唐無稽にも思えるような内容をまずは「ファンタジー」として楽しむくらいにとらえ、そうしたなかの「核」の部分である「精神科学」の考え方を理解され、それらをそれぞれの魂の養成と、自己認識の深化に役立てていただければと思う。

 


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