ルドルフ・シュタイナー

『神秘学概論(GA13)』ノート

13 遊星状態と中間状態


2002.2.27

 

         このような霊学研究の意味で、地球進化の過程を過去へ向かって果て
        しなく遡っていくと、われわれの遊星の霊化された状態にまでいきつく。
        しかしそれ以上にこの探究の道を遡っていくと、その霊的状態も、さら
        にそれ以前には、すでに一種の物質化の過程を経ていたことが見出され
        る。つまり、遙か遠い過去に物質化された遊星状態にあったが、それが
        次いで霊的な状態に変化し、そのあと再び物質的な素材に変じて、われ
        われの地球になったのだということがわかる。
         われわれの地球は、こうして、ある太古の遊星の再物体化の姿を示し
        ている。しかし霊学は、それ以上にまで、遙かな過去を遡ることができ
        る。そうすると、このような物質化の過程が、二度も繰り返されていた
        のを知る。つまり、われわれの地球は、これまで三度も遊星状態を通過
        してきた。そして遊星状態と遊星状態との間には、常に霊化された中間
        状態が見られる。もちろんその物体化の状態は、過去を遠く遡れば遡る
        ほど、ますます精妙な性質をあらわしている。
        (P150)
 
地球は、土星紀、太陽紀、月紀、そしてこの地球紀という
進化期を経てきているということであるが、
おそらくこの進化期はかなりイメージしがたいように思う。
 
土星紀には人間の肉体の萌芽が、
太陽紀にはエーテル体の萌芽が、
月紀にはアストラル体の萌芽が形成され、
そしてこの地球紀にはこうして自我の萌芽が形成されているわけだけれど、
おそらくそれぞれの進化期は、
それぞれの萌芽の形成と過去に生まれたものの成長に適した在り方を
準備するものといえるのだろう。
 
それをどのようなイメージで理解するか。
いちばんわかりやすいのは、
人間の転生でとらえるのがいいかもしれない。
「物質化された遊星状態」を生まれてから死ぬまでの状態ととらえ、
「霊化された状態」を死んでから再び生まれるまでの状態としてとらえる。
詳しくはわからないところだけれど、
「われわれの遊星」も人間の転生のようなプロセスで
物質化された状態と霊化された状態を繰り返すなかで、
進化発展しているような存在としてとらえることもできるように思う。
そのなかで、さまざまな霊存在が働いている。
 
生物物理学者のジェームス・ラブロックは、「ガイア理論」を創始し、
「地球はそれ自体が大きな生命体である。
全ての生命、空気、水、土などが有機的につながって生きている」とし、
この地球を「GAIA (ガイア)」と呼んだわけだけれど、
もちろん、そういう「生命体」としてとらえるだけでは、
この地球のことはよくわからないだろう。
 
この地球においても、少なくとも、
物質体としての地球、エーテル体としての地球、
アストラル体としての地球、自我としての地球、
そしてそれよりも高次の存在としての地球
そして、これから形成されるであろう構成体としての地球、
そうした進化プロセスをふまえた存在としての地球を
とらえていかなければ、
人間をただ「いのちの尊さ」といったレベルでだけとらえるように
なってしまいかねないのではないだろうか。
 
シュタイナーの描き出している宇宙進化論を
そのようにとらえていくこともまた視点として必要なのではないかと思う。
 
 


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