ルドルフ・シュタイナー

『神秘学概論(GA13)』ノート

26 月紀1:周期


2002.4.7

 

『神秘学概論』の月紀の章を読み返しながら、その複雑なプロセスを
どのようなかたちでまとめてみようかいろいろ考えてみたが、
章の最後に述べられていた「周期」についての記述から
「月紀」のノートを始めてみることにした。
 
このノートは解説を意図して書いているものではないので、
こうした概観はむしろ理解を図式的にしてしまうことになるのではないか。
そうしたことも常に念頭にはあるのだけれど、
かなり複雑なそのプロセスを理解するためには、
ある程度概観を得ておくことが必要だと思い、
月紀の7つの周期について見ておくことから始めることにしたい。
 
         ひとつの準備期が、本来の月紀の進化に先行していた。特定の仕方で、土
        星紀と太陽紀の進化が繰り返された。今、太陽と月が合体したのちの衰退期
        においても、同様に、二つの時期を区別することができる。(…)
         したがって、月紀の進化のための二つの準備期について語ることができる
        が、衰退期における二つの準備期についても語ることができる。そのような
        「時期」は「周期」と呼ばれる。初期の二つの準備期に続き、そして衰退期
        の二つの準備期に先行する期間には、つまり月が分離して存在していた期間
        には、三つの時期が区別される。その中間期は、「生命の子ら」が人間にな
        った時期である。それに先行する時期は、すべての状況がこの主要事件に向
        けられていた、そしてこの中間期に続く第三の時期は、新しく創造された世
        界への適応を完成させる時期であった。このようにして、中期の月紀の進化
        は三つの時期に分けられる。
         だから二つの準備周期と二つの衰退周期と共に、月紀の進化は、全体とし
        て七つの周期に分けられる。
        (P223-224)
 
月紀の準備期である第一周期、第二周期は、
それぞれ土星紀、太陽紀の繰り返しである。
その後、本来の月紀進化が第三周期、第四周期、第五周期と続き、
そして、次の進化期を準備するともいえる衰退周期である
第六周期、第七周期と続く。
 
準備期の後、月と太陽が分離し、
月が太陽の周囲を公転するようになる。
 
        月は、その生命活動をある時には太陽の方へ向け、別の時には太陽から引き離
        す。太陽の時期と遊星の時期とが交互に存在するようになる。遊星の時期には、
        月の存在は、太陽に背を向けた月面上で、成長を遂げる。(…)
        このようにして月紀における意識状態は、明らかに異なった、互いに交替し合
        う二つの特徴的な在り方を示している。太陽に関わる時期には、より暗い意識
        状態を示し、自分自身により多くの関わりを持つ時期には、より明るい意識状
        態を示している。第一の意識はより暗いけれども、より一層没我的になる。そ
        の時期の人間は、外的な宇宙、つまり太陽の中に映しだされた宇宙に没頭して
        生きている。意識状態のこの交替は、現在の人間の眠りと目覚めの交替に比較
        できるが、さらにまた、誕生から死までの地上の生活と、死から新生までの霊
        的な生活との交替にも比較できる。
        (P209-211)
 
第三周期に、「運動霊」によって人間にアストラル体が流入され、
人間はこの時点ではじめて魂の特性を獲得することになり、
第四周期において、「形態霊」が働き、
そのアストラル体の働きが転回するようになる。
さらに、第五周期において、「人格の霊」が
そのアストラル体に独立性、自己性を与え
それが人格としての特徴をもつようになる。
 
またこの時期、「火の霊」が人間のエーテル体に働きかけ、
その影響で、体液の流れが人間に生じ、
一種の養分摂取の働きが見出せるようになる。
 
また、その第五周期において、人間は、土星紀での「霊人」の萌芽や
太陽紀での「生命霊」の萌芽のように
自分の中に「霊我」の萌芽を育てていく。
 
そして、衰退周期において、再び月と太陽が合体する。
その太陽と月の合成体に、「叡智霊」により「叡智」が流し込まれる。
この衰退期において、悟性魂と感覚魂の萌芽が生じることになる。
 
 


 ■シュタイナー研究室に戻る

 ■神秘学遊戯団ホームページに戻る