ルドルフ・シュタイナー

『神秘学概論(GA13)』ノート

32 地球紀2 濃縮化と惑星の発生


2003.2.13

 

地球紀において、なぜ月が地球から分離しなければならなかったのだろうか。
 
        月が地球から離れる以前、月が地球の中でますます濃縮化の働きを強めて
        いったとき、この働きの結果、人間が地上に残していった萌芽から生じた
        ものたちの中には、体を持たぬ状態から再び立ち戻ってくる人間の魂が、
        もはやそこに受肉できぬものも現われた。萌芽から生じたそのようなもの
        の姿は、余りにも濃縮化され、そして月の働きの結果、余りにも人間形姿
        からかけはなれてしまったために、人間の魂を受け入れることができなく
        なってしまったのである。(P248)
 
太陽が地球から分離したことで、
地球上に生存場所がなくなってしまった存在のために、
その居住地として「木星」が用意されることになった。
 
その「木星」は「地球の物質的な進化の始まりに地球と結びついており、
太陽もまたそこから現われてきた存在」である。
 
そのように、惑星は、地球進化期において、「濃縮化」が進んだために、
そこでは居住できなくなった存在のために発生したということができる。
 
たとえば、「火星」は、さらに地球が固体化してきたための居住地であり、
「土星」は、まだ地球が太陽と結びついていた頃、
空気成分が組み込まれたことで、
地球進化を共にできなくなった存在のための居住地である。
 
ちなみに、水星(今日でいう金星)と金星(今日でいう水星)は、
太陽が地球から分離する際に、
地球よりも精妙で、太陽よりは粗雑な居住地として、作られた惑星である。
 
そのように、濃縮化の結果、
地球にはまったく人間の魂が住めない状態になってしまうために、
別の居住地を用意するだけではなく、月は地球から分離した。
 
        当時、まだ人間の魂を受肉することのできた身体形姿のために、月の分離
        が必要だった。人間萌芽は、これまで直接地球内で働いていた月の作用を、
        もはや受けずに成熟し、のちになってから、その作用を外から受けるよう
        になった。人間萌芽は、人間の内部で形成されるようになったが、この萌
        芽を導いた霊的本性たちが、彼らのもっとも強力な仲間に導かれて、月を
        地球から分離させ、この危機を地球が通過できるようにしたのである。
        (P250-251)
 
 


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