ルドルフ・シュタイナー

内的霊的衝動の写しとしての美術史

 GA292

yucca訳


第7講-3

数世紀にわたって見られるクリスマスのモティーフ:
キリスト・イエスの誕生ー羊飼いたちの礼拝ー王たちの礼拝ーエジプトへの逃避

モザイク、ミニアチュール(細密画)
イタリア、ネーデルラント、ドイツのマイスターたち

1917/1/2   ドルナハ


 さて今度は、《マギたちの礼拝》を示している表現に移りましょう。

 まず最初は、ラヴェンナの古いキリスト教の石棺に見られるレリーフです。


695a 667   石棺レリーフ   マギたちの表敬  4世紀

 続いて、サン・アポリナーレ・ヌオーヴォのモザイク画です、これもラヴェンナにあります。


693   モザイク  マギたちの表敬 絵の下の部分  6世紀

 このように比較的古い絵画は、出来事を徹底してスピリチュアルな世界との関連で示していて、そのためあらゆる自然主義とはかけ離れ、すべてはより高い領域へと高められています。


694   細密画   マギたちの表敬  バジリウスのメノローギウムより  11世紀

 今度はまた十三世紀のニッコロ・ピザーノに移りましょう。


695b 617   ニッコロ・ピザーノ  王たちの礼拝

 これは説教壇レリーフです。


698a 372   ティンパノン{ティンパヌム、中世建築で玄関上部の半円形の壁部分}   
        王たちの礼拝  フライベルク 《黄金の門》

 これはフライベルクの《黄金の門》ですね。これで十二世紀の後半ですが、さらに今度は十五世紀に歩を進めましょう。


696   ドメニコ・ヴェネツィアーノ   王たちの礼拝

 これは以前には、ピサネッロ(ヴィットーレ・ピザーノ)の作品とされていました。

 さてこれは前にお話ししましたシュテファン・ロホナーです。


698b 239   シュテファン・ロホナー   王たちの礼拝

 今度はジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの絵です。


697   ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ   王たちの礼拝

 そして今度は、ほかのものと同様、このような出来事の表現においても愛すべき芸術家、フラ・アンジェリコの絵です。


699a 66  フラ・アンジェリコ   王たちの礼拝


699b 52  フィリッピーノ・リッピ   王たちの礼拝

 このモティーフのいずれにおいても、自然主義が進歩しているのをごらんになるでしょう。これらを数世紀にわたって追求すると、とくにひとつのモティーフを追求してみると、この観点からして、これはとくに興味深いものです。


699c 71   ボッティチェリ   王たちの礼拝

 さてここで十五世紀の後半で、まずは


699d 56   ギルランダイオ  王たちの礼拝

に至り、そして十五世紀末です。


699e 62   マンテーニャ  王たちの礼拝

   


700    ジョルジョーネ  東方の賢者たち

 さてここで


701    ジェンティーレ・ベッリーニ   王たちの礼拝

 さてここで、私たちが例を挙げたネーデルラント、オランダのさまざまな画家たちを思い出していただきたいのです、このファン・デル・ウェイデンとバウツの場合にも同様のモティーフがありますので。


702a 455   ファン・デル・ウェイデン   王たちの礼拝


702b 459   ディーリック・バウツ   王たちの礼拝

 これらの画家の特徴については前回の考察でお話ししましたね。


703   細密画  王たちの礼拝  ブレヴィアリウム・グリマニ[Breviarium Grimani]
                   (グリマニの日課祈祷書)より

 次の絵は、ブリュージュでも描いたある画家の作品です、彼はこの地で1523年に亡くなりました。


704a 475   ヘラルト・ダフィット  王たちの礼拝

 今度はレオナルドの場合の同じモティーフです。


704b 116   レオナルド・ダ・ヴィンチ   王たちの礼拝

 続いてレオナルドの弟子ルイーニでは


705   ルイーニ   王たちの礼拝

 続いてまた北方に移りましょう。


706a 280   アルブレヒト・デューラー   王たちの礼拝

 そして同じモティーフがブリューゲルでは


706b 495   ピーター・ブリューゲル  王たちの礼拝

 同じモティーフがレンブラントの場合


706c 547   レンブラント   王たちの礼拝

 さてここで最後のモティーフ、《エジプトへの逃避》に移りますが、これを連続する画像で考察していきましょう。 -- 最初は、すでに見ました十三世紀の表現です。


707a 682  ヘラート・ランズベルク エジプトへの逃避 《ホルトゥス・デリキアールム》より

 続いて十五世紀後半と十六世紀初頭の画家たちの同じモティーフです。


707b 487   パティニール   逃避行中の休息

 


708   コレッジョ  鉢を持つ聖母

   


707c 348   ベルンハルト・シュトリゲル   エジプトへの逃避

 彼はウィーンでも描き、1528年に亡くなりました。


709a 301 アルブレヒト・デューラー エジプトでの聖家族の休憩  木版画

 


707d 285   デューラー工房   エジプトへの逃避

   


709c 327   ハンス・バルドゥング(通称グリーン)   逃避行中の休息

 バルドゥングはもう十六世紀に入っています。


709b 267   クラナハ(父)  逃避行中の休息

 最後にレンブラントの場合の同じモティーフです。


709d 562  レンブラント  遺作:逃避行中の休息、 エッチング

 これできょうのスライドシリーズは終わりです。

 みなさんにお願いしたいのですが、ここでお見せした非常に印象深い《三人の王》の絵の表現を、後ほどぜひ近くでよくごらんになってください、キリスト・イエスの魂の到来とともに星の礼拝が直接表現されています。

 


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