「四次元」

数学と現実

多次元空間に関する講義の聴講ノートと数学のテーマについての質疑応答

GA324a

Rudolf Steiner:Die Vierte Dimension 

佐々木義之訳

 

第二部

質疑応答 1904-1922


シュツットガルト 1906年9月2日

■質問:「自我」の働きについて

 「自我」はアストラル体、エーテル体、そして肉体に働きかけます。すべての人間は道徳的な自己教育を通してアストラル体に働きかけるのです。けれども、秘儀参入のプロセスあるいは秘教的な学びに関しては、ただそれを始めるときでさえ、人がアストラル体に働きかけるべき多くのことが残っています。秘儀への参入は、審美的な趣味や宗教の涵養を通して、より精力的なエーテル体への働きかけを始める、ということによって特徴づけられます。

 ある点では、アストラル的な意識は四次元的です。それに関するおよその考え方をあなた方に提示するために、あらゆる死せるものは三つの通常の次元のなかに留まる傾向がある一方で、あらゆる生きたものは絶えずそれらの次元を超越する、と言わせてもらいます。あらゆる成長するものは、その動きを通して、第四の次元を三つの次元の内部に取り込むのです。もし、私たちがどこまでも大きくなる円周上を動くとしますと、私たちは最終的には直線へと至ります(図61)。けれども、もし、私たちがこの線に沿って動きつづけるとしたら、私たちの空間は三次元的ですから、私たちはもはや私たちが出発した地点に戻ってくることはできません。すべての面が閉じているアストラル空間のなかでは、私たちは戻ってくるでしょう。アストラル空間のなかでは、無限へと動きつづけることは不可能なのです。物理的な空間は第四の次元に対して開いています。高さと幅は二つの次元です。そして、第三の次元は持ち上げて外に出すことであり、第四の次元へと入っていきます(原注:この文章の意味を正確に再構築することはできなかった)。アストラル空間のなかでは異なった幾何学が支配しているのです。

図61

図62

(了) 


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