「四次元」

数学と現実

多次元空間に関する講義の聴講ノートと数学のテーマについての質疑応答

GA324a

Rudolf Steiner:Die Vierte Dimension 

佐々木義之訳

 

第二部

質疑応答 1904-1922


ベルリン 1913年2月13日

■質問:黄金分割は秘教的な法則に基づいているのでしょうか?

 それは空間中に存在するものの影響に基礎を置いていますから、黄金分割は確かに秘教的な法則に基づいています。ゲーテはこの法則について、最も隠されたものは最も明らかなものであり、その反対も真である−つまり、それは私たち人間の構成に密接に関連する法則、すなわち、繰り返しと、バリエーションによる繰り返しの法則である−と述べています。例えば、ブッダの語りを見てみますと、いつも同じ内容が少しずつ変化しながら繰り返されますが、それを省略することはできない、何故なら、内容だけが重要な要素ではないから、ということが分かります。黄金分割は単に繰り返しの問題ではありません。私たちは繰り返し同じ比率を見いだすのですが、その理由は実際には三つの構成要素しかそこにはないからです。(原注:黄金分割とは、線分を2分割するとき、短い部分の長い部分に対する比が長い部分の線分全体に対する比と同一になるようにする方法、訳注:線分の長さを10とすると、黄金分割の各部分の長さはX2−30X+100=0の解となる) 黄金分割が私たちの心を動かすのは、繰り返しの自己充足性(しかし、それは自己形成されたものではありません)によります。

(了) 


 ■シュタイナー「四次元」トップへ

 ■シュタイナー研究室へ

 ■トップページへ