ルドルフ・シュタイナー

■GA230■

創造し、造形し、形成する

宇宙言語の協和音としての人間

Der Mensch als Zusammenklang

des schaffenden,bildenden und gestalteden Weltenwortes


翻訳紹介(全12講)

(翻訳者:yucca)


I

宇宙関係、地球関係及び動物界の人間との連関

 

●第1講    1923年10月19日  ドルナハ 

・エーテル的に鳥を見ると、鳥全体が一個の頭部である

・鳥の翼と人間の思考

・ライオンと胸部律動組織

・牛:途方もなく美しい消化

・鷲、ライオン、牛の統合としての人間

・蝶・蛾の幼虫は太陽光を紡いで繭を織る

・蝶の翅と人間の記憶

・認識原理としての芸術

●第2講    1923年10月20日  ドルナハ 

・翼ー人間の頭部の形態化;太陽と外惑星の力の共同作用

・ライオンー人間の律動組織は太陽の作用

 牛ー新陳代謝組織は太陽と内惑星の作用

 鷲、ライオン、牛の作用の合流としての人間

・人間を一面化させようと誘惑する鷲、ライオン、雌牛の呼びかけ

・雌牛の誘惑の声に捉えられると起こることー機械音の鳴り響く文明

・ライオン、鷲の誘惑に捉えられると起こること

・ライオン、ハイエナ、狼の寓話の現代的意味

 一面化させようとする誘惑の呼びかけに対抗するための人間の箴言

●第3講    1923年10月23日  ドルナハ 

・霊的実質と物質的実質、霊的な力と物質的な力

・上部人間、下部人間における霊的ー物質的な実質と力の相互浸透

・実質と力の不規則な配分によって病気が起こる

・人間の宇宙的カルマー人間は地球に対して負債がある

・牛は地球にとって必要な霊的実質を地球に与える

・鷲は地球にとって不要になった物質的実質を霊界に運び去る

・地球存在を確実にする鷲と牛

・牛と鷲の回りの元素霊たちの歓び

・現代の一般的科学、認識では宇宙の意味は見出せない

・鷲、ライオン、牛に示される宇宙的秘密

 

II

宇宙現象と宇宙存在の内的連関

 

●第4講    1923年10月26日  ドルナハ 

・かつての地球の状態と、現在の地球状態に見られるその名残

・土星ー太陽と月ー地球の区別

・土星ー太陽的なものと昆虫界(特に蝶)との関連性

・昆虫界は太陽作用と共に働きかける火星、木星、土星作用の賜物

・植物界の発生:地球に委ねられた胚と金星、水星、月の作用

・植物は地球に繋ぎとめられた蝶、蝶は宇宙に解き放たれた植物

 

●第5講    1923年10月27日  ドルナハ 

・蝶、鳥による地球素材の霊化

・蝶は生きている間に、鳥は死ぬときに、

 霊化した地球素材を宇宙にもたらす

・蝶と鳥の世界を通じて地球は宇宙に霊化された素材を放射する

・星は無機的なものではなく、生命あるもの、霊化されたものの結果

・蝶は光エーテルに、鳥は熱エーテルに属する

・鳥は呼吸を通じて体内の空気に熱を生み出す

・蝶の呼吸と高等動物の呼吸

・蝶は光の生きもの、鳥は空気の生きもの

・コウモリは黄昏の動物、地球の重さを克服できない

・蝶は宇宙の記憶、鳥は宇宙の思考、コウモリは宇宙の夢

・コウモリは霊的実質を宇宙空間ではなく空気中に分泌する

・コウモリの分泌の残存物を人間が吸い込むことにより

 龍が人間に 支配力を行使する

・ミカエル衝動によるその防御

 

●第6講   1923年10月28日  ドルナハ  

・地球進化においてもっとも古い被造物である人間

・土星ー太陽ー月ー地球への進化のなかでの、人間の各部分と個々の動物種の発生

 土星紀:人間の頭と蝶の原基、

 土星紀の終わりから太陽紀前半:人間の頭ー胸組織と鳥類、

 太陽紀後半:人間の呼吸組織とライオン

 月紀前半:人間の腹部ー消化組織と牛

 月紀後半:人間の消化器官と爬虫類、両生類

・人間と動物の形成のされかたの違い

・蝶、鳥の形姿は地上に下降してくる前の人間の霊的形姿を思い起こさせる

・蝶コロナと鳥コロナが、霊界にいる人間を再受肉へと誘う

・人間の胎児期の形成

・人間の進化において内から外へと働くものが、動物においては

 外から内へと働く

・地球のエーテル要素のなかに生きる魚

・地球のアストラル要素のなかに生きるカエル

・人間の消化器官と両生類、爬虫類

・円の集中と放射の図によるマクロコスモスとミクロコスモスの照応

・植物界、鉱物界への架け橋

・鉱物質のものの意味、霊人[Geistesmensch]と松果腺の脳砂

 

III

植物界と自然元素霊たち

 

●第7講   1923年11月2日  ドルナハ  

・植物界に関わる目に見えない存在たち

・根の精霊グノームと鉱物

・グノームは植物を通じて宇宙の理念を知覚する

・グノームと両生類

・地上的なものへのグノームの反感

・水の元素霊ウンディーネは植物の葉で働く

・ウンディーネは空気素材を結合し分離する夢見る化学者

・ウンディーネと魚

・空気ー熱エレメントのなかに生きるジルフェ

・ジルフェは鳥の飛翔とともに空気のなかで響く宇宙音楽を聴く

・鳥のなかに自我を見出すジルフェは宇宙の愛の担い手

・ジルフェは植物に光をもたらす

・ジルフェとウンディーネの共同作用により原植物の理念形態が形成される

・滴り落ちてくる植物の理念形態を地下でグノームが受け取る

・唯物論的科学による植物の受精の説明の誤謬

・熱ー空気のエレメントのなかに生きる火の精霊たち

・火の精霊は宇宙の熱を集めて植物の花にもたらす

・植物の受精は花ではなく、地下で行われる

・植物の父は天、母は大地

・グノームは植物の生殖の霊的な産婆

・火の精霊は蝶、昆虫と一体化しようとする

・蜂のオーラとなる火の精霊たち

・下降する宇宙の愛ー供犠と上昇する地の密度ー重力の共同作用の現れ

としての植物

●第8講   1923年11月3日  ドルナハ  

・現代の人間からはエレメンタル存在たちを知覚する力が失われている

・グノームは骨格のない下等動物たちを霊的に補足する

・グノームの知性と注意深さ

・入眠時の夢とグノームの知覚

・ウンディーネはもう少し高等な動物たちを補足し、鱗、甲殻を生じさせる

・夢のない眠りとウンディーネの知覚

・ジルフェは本来頭である鳥を霊的に補足する

・目覚めの夢とジルフェの知覚

・火存在は蝶の体を補足する

・グノームとウンディーネは下等動物を上つまり頭の方向に補足し、

 ジルフェと火存在は鳥と蝶を下つまり四肢の方向に補足する

・思考存在としての自己の観察と火存在の知覚

・宇宙思考と火存在の領域

・良い種類の元素霊と悪い種類の元素霊

・悪い種類のグノームとウンディーネにより寄生生物がもたらされる

・人間の排泄プロセスと脳形成、脳は排泄物の高次のメタモルフォーゼ

・グノームとウンディーネの力による物質的な脳形成

・グノームとウンディーネは破壊の力に関わり、ジルフェと火存在は

 構築する力に関わる

・悪い種類のジルフェにより果実に毒が生じる、ベラドンナ

・悪い種類の存在たちは領域をずらして作用する

・火存在は果肉を焼き尽くし、これが行き過ぎると果実の核が有毒となる

・ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァと元素霊の関係

●第9講   1923年11月4日  ドルナハ  

・人間と元素存在たちの知覚・体験の違い

・地球の内部でのグノームの逍遙とその地質・鉱物体験

・グノームは月に対して敏感であり、月相によって姿を変える

・月の秘密と未来の地球に対するグノームの使命

・グノームたちは過去から未来へと固体の構造を保持していく

・海の微生物の死とウンディーネ

・ウンディーネたちは燐光を発しつつ上昇し、高次存在たちの糧となることに至福  を感じる

・ジルフェは死んでいく鳥たちが霊化した実質を高次世界に媒介する

・ジルフェたちは稲妻となって霊化された実質と共に上昇し、高次存在たちに呼吸し尽くされることを欲する

・火存在たちは、蝶が絶えず霊化する実質を熱エーテルにもたらし、地球の本来の景観を高次存在たちに観てもらうことを望む

・地球と霊宇宙を媒介する元素存在たち

・意識とともに前進せよと人間に勧告する元素霊たちの言葉

・元素霊たちが自らの本質を表現する言葉

・元素霊たちから人間に向かって響いてくる金言

・宇宙は言葉から創り出された、という抽象的真理の具体的な意味

・元素霊たちが発する宇宙言語のさまざまなニュアンスから

 人体組織の各部分が形成される

・宇宙言語の協和音である人間

 

IV

人体組織の秘密

 

●第10講   1923年11月9日  ドルナハ  

・真の人間認識の必要性

・各進化期に人間に与えられたもの:

 地球進化期…運動機能に関するもの、月進化期…新陳代謝に関するもの、

 太陽進化期…律動(呼吸・循環)的経過に関するもの

 土星進化期…神経・感覚に関するもの

・人間と鉱物、植物、動物の関係:人間が摂取する鉱物的なもの、植物的なもの、動物的なものは体内でそれぞれ、熱エーテル、空気状のもの、液体状のものに移行する。固体的なものに入り込んでいくのは人間的なもののみ。

・人間の呼吸、炭素の働き:炭素は炭酸となって吐き出されるときに人体内にエーテルを残していく

・新陳代謝組織は常に人間を病気にする傾向を持つ

・循環は絶え間ない治癒プロセス

・呼吸のリズムは宇宙のリズムと一致し、循環リズムを制御する

・土星と人体組織の照応:土星の内部は病む力、土星環は健やかにする力

・これを眺める高次ヒエラルキアの満悦が神経ー感覚組織を貫いて精神的進化の力を形成する

・真の合理的な治療学の体系は新陳代謝から出発すべきである

・教育芸術と医学

・全体的な人間認識から医学体系が生み出される必要性

・人体おける栄養摂取経過、治癒経過、精神的経過の相互移行

・血液のなかで起こるべきプロセスが他の場所に入り込むと炎症徴候が生じる

・神経のなかで起こるべき経過が他の場所に入り込むと腫瘍形成への衝動が生じる

・教育学における病理学的ー治療学的認識の必要性

・教育芸術的治療において物質的なものの治癒作用を知ることの有益さ

・銅をはじめ、鉱石形成の持つ治癒作用

・外なる自然の治癒プロセスと人体組織の治癒プロセスの関係

 

●第11講   1923年11月10日  ドルナハ 

・人間の体内での代謝経過は、外部に観察される物理・化学的経過の継続ではない

・体内に摂取された鉱物質のものは、いったん熱エーテルの形になって

 宇宙からの諸力を受け取り、再び硬化して人体形成の基礎となる

・鉱物質のものが熱に変化されきらずに人体組織内に沈殿すると、

 たとえば糖尿病などの原因となる

・外部から人体内に入ってくるものは、物質であれ力であれ、完全に加工され尽くされねばならない

・外部の熱を体内で完全に変化させられないと風邪をひく

・外界でのエレメンタルガイストの仕事が、人体内では高次ヒエラルキアに委託される

・植物の根は地上的に満足し、花は宇宙に憧れる

・植物界は自然界において人間の良心を映す鏡

・植物の根は月がまだ地球のもとにあった時代に由来する

・花的なものは月が地球を去ってから展開する

・霊的ー宇宙的なものから地上的ー物質的なものが生まれる

・人間が植物を食べることで植物の宇宙への憧れが満たされる

・植物質は人体内で空気的なものになり、上下逆転する

・人間に食べられると根は頭へと上昇し、花は下にとどまる

・動物の消化においては植物は逆転できず、植物の宇宙への憧れは満足されずに

 地へと投げ戻される

・動物の消化における、消化の流れに対抗する不安の元素霊の流れ

・草食動物と肉食動物の死における不安

・人智学はアジテーション的に何らかの食餌法を支持するのではなく、

 あらゆる食餌法を理解させるもの

・子どもにはまだ鉱物を熱エーテル化する力が不足しているため、ミルクが必要

・子どもは頭の内部から形成力を発達させるが、年取ってからは頭以外の

 生体組織全体が形成力を放射しなければならない

・人間が頭の内部で行っていることを蜂は外部で行っている;

 蜂の巣は頭蓋冠の無い頭

・人間が年取ってから形成力を促進しようとするときは、ミルクでなく蜂蜜が適する

・「乳と蜜の流れる土地」という言葉に含まれる深い叡智

 

●第12講   1923年11月11日  ドルナハ  

・物質的、自然的人体組織と霊的(精神的)道徳的なもの

・人類の道徳的ー精神的(霊的)なものの源泉:人間理解と人間愛

・今日、精神的(霊的)なものは単なる抽象思考として語られる

・物質界、自然界にあるすべてのものは、霊的世界に関する文字

・人間の(物質的)形姿は、霊的に観て道徳的冷たさと憎悪から構築されている:

 道徳的冷たさは人体組織を固く構成し、憎悪は血液循環を引き起こす

・人間の魂には道徳的熱(暖かさ)、人間愛への萌芽があるが、

 下意識には道徳的冷たさと憎悪が潜んでいる:現代文明との関係

・死の門を通過していくとき、人間は冷たさと憎悪の結果を携えていく

・今日の一般的な社会生活に見られる道徳的な熱と愛の欠如

・人間が携えてきた冷たさと憎悪の結果を負担する高次ヒエラルキア存在たち:

 第三ヒエラルキアが冷たさに由来するもの、次いで第2ヒエラルキアが

 憎悪に由来するものを取り除く

・人間の形姿は純粋に霊的なもの:単なる物質的なものを人間の形姿に保つのは

 霊的なもの

・死後霊的世界でこの形姿は徐々に頭の部分から溶解していき、

 第一ヒエラルキアのもとで完全に変容する

・第一ヒエラルキアのもとでの霊形姿の形成:

 四肢であったものが未来の頭の原型となる

・脳だけでなく、手足で思考することでカルマを追求することができる

・人間の動きとともに、その人間の道徳的全体が運動している

・死後の生の後半における新たな形姿の形成プロセス:

 第二、第三ヒエラルキアは死後の生の前半に人間から取り出したものから、

 胸器官、四肢代謝器官の原基を形成する

・人間の物質的本質と周囲の物質的自然との違い

・人間と結びついているヒエラルキアの営み

・新たな人間形姿形成のために使い果たされなかった人間無理解と人間憎悪の

 力の残余、その帰結としての文明の癌形成、潰瘍形成

・寄生生物に冒された生体組織のような現代文明:人間との生きた結びつきを

 持たない思考

・現代文明に上から下降してくる霊的なものは人間を通じて有毒となる:

 下からの寄生性と上からの毒性

・文化の病の診断と治療法

・人間の心と心情から生み出される新たな文明の必要性:

 文化の病の治療としてのヴァルドルフ教育

・真の文化の覚醒衝動としての人智学

  


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